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ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の実機レビュー

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のレビュー概要

世界初の折りたたみ型ノート

ThinkPad X1 Foldはこれまでにない革新的な折り畳み型ノートパソコンです。半分に折り畳んだままも使えますし、完全に開いた状態で13インチノートパソコンとして利用することも可能。

またSnapdragonのチップセットを載せて5G通信にも対応しています。世界初のギミックを搭載していることもあり、価格は約30万円と超高額なモデルになっているアーリーアダプター向けのノートパソコンとなっています。

簡易スペック表

発売日 2020年11月24日
CPU Core i5-L16G7
RAM 8GB
ストレージ 512GB~1TB
画面サイズ 13.3インチ
GPU 内臓グラフィックス
USB-PD 搭載
LTE 5G対応
MSオフィス 選択可能
重量 1155g
Cinebench R20 514pts

※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください

2021年5月20日時点で税込339,152円から。現在の価格については公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の目次

実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。

※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の特徴

ここではThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。

 

革新的な折りたたみ機構

ThinkPad X1 Foldではこれまでになかったパソコンでの画面折り畳みを実現したモデルになっています。13インチのディスプレイを折りたたみできるのはまさに圧巻。

 

折り畳めてコンパクトになるという実用面だけでなく、オタク心をくすぐるロマンモデルになっています。

 

キーボードとディスプレイを別体にできる

ThinkPad X1 Foldはおりたたみできるという特徴だけでなく、ノートパソコンというカテゴリながらPCとキーボードを別体にできるというメリットを持っています。なお、PC自身にキックスタンドがあるため、PCスタンドは必要ありません。

 

これによりノートパソコンのように限られた距離感ではなく、自分に合った距離感でワークスペースを確保することが可能になります。

 

厚みはあるがコンパクト

折り畳み機構があるため当然ディスプレイ分の厚みが出る格好にはなりますが、縦横で見るとかなりコンパクトな寸法。PCバッグの持ち運び概念が変わりそうなサイズ感になっています。

 

5G対応

ThinkPad X1 Foldではintelプロセッサを採用しながら、5Gにも対応した珍しいモデルになっています。

 

前モデルとの違い

ThinkPad X1 Foldはこのモデルが初めてで前モデルはありません。

 

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の価格とコストパフォーマンス

コストパフォーマンスで計るべき機種ではありませんが、性能と値段から考えるとかなり割高です。プロセッサの性能ではなく、折りたたみできるという付加価値に対して値段を払うべきモデルと言えるでしょう。また、5G対応モデルを選択するとさらに価格アップするので注意して下さい。

2021年5月20日時点で税込339,152円から。現在の価格については公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のスペック

今回レビューしたThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のスペックは以下の通りです。

マシンスペック(技術仕様)

発売日(月) 2020年11月24日
製品名 ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)
型式
サイズ 158.2×236×27.8mm
重量(実測) 本体 1155g
電源アダプタ 付属無し
CPU Core i5-L16G7
GPU 内蔵グラフィックス
メモリ(RAM) 8GB
ストレージ 1st 1TB
2nd
ディスプレイ サイズ 13.3インチ
解像度 2048×1536インチ
形式 OLED
リフレッシュレート 記載なし
生体認証 指紋 無し
顔認証 有り
フロントカメラ 画素数 500万画素
物理シャッター 有り
リヤカメラ 画素数 無し
Wi-Fi a/b/g/n/ac/ax
bluetooth v5
LTEモジュール 対応の可否 非搭載
SIMカードサイズ
光学ドライブ 非搭載
バッテリー サイズ 4セル
公称値 11.7時間時間

※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。

 

スペックの解説

ThinkPad X1 Foldの特徴として、CPUにCore i5-L16G7という特殊なグレードを使っていること、ディスプレイが折り畳みなためOLEDを採用していることが挙げられます。バッテリーは11.7時間と短いので注意して下さい。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のベンチマーク

CINEBENCH R20

CINEBENCH R20の測定値は514pts、シングルコア174ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Cinebench R20の結果は非常に低く、Celeron程度の実力値になっています。プロセッサの能力不足もあってかPCの立ち上げ時や起動時に思った以上に時間がかかるイメージです。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。

 

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。

 

CPU-Z

CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。

 

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の通信環境(WI-Fi)のテスト

測定環境

Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。

1階部分

2階部分

※タップで画像を拡大できます。

 

検証結果

スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。

ダウンロード数値比較

ルーター前:555.01Mbps
ポイント②:544.15Mbps
ポイント③:626.36Mbps
ポイント④:517.65Mbps
ポイント⑤:414.15Mbps
ポイント⑥:189.56Mbps

アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。

測定項目 ダウンロード アップロード PING
単位 Mbps Mbps ms
ルーター前 555.01 180.39 10
ポイント② 544.15 412.66 8
ポイント③ 626.36 417.62 7
ポイント④ 517.65 291.22 10
ポイント⑤ 414.15 277.21 8
ポイント⑥ 189.56 146.36 8

 

通信スピードテストの評価

ThinkPad X1 Foldの通信速度は全エリアにおいて100Mbps以上と良い数値が得られました。最長距離ではルーター前と比較して速度が1/3程度になってはいるものの、PINGが1桁台で安定しています。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のUSB-C(PD)による充電テスト

USB-Cの充電テストを行いました。20W電源から全て充電ができ、推奨パフォーマンスの設定が出ることを確認しました。またNimasoのThuderbolt3ケーブルを用いて、LGの29UM69G-Bを用いてテストしたところ、ディスプレイの拡張と充電が同時にできることを確認しています。

USB-PD 充電の可否 検証した充電器
20W PowerPort Ⅲ Nano
30W PowerPort Atom Ⅲ Slim
45W PowerPort Atom Ⅲ Slim
61W RP-PC133
100W AUKEY PA-B7
LG 29UM69G-B LG 29UM69G-B

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の外観

天板は革仕様になっています。またキックスタンドがついており、本体とキーボードを分離して使う場合に便利な仕様になっています。

 

キーボードを置いた状態での開いた様子です。小型PCでかなりコンパクトです。またキーボードを外してキックスタンドで立てた状態です。こちらだとディスプレイをフルに生かすことができます。

 

上部ベゼルです。かなり大きめです。

 

下部ベゼルも上部ベゼル同様にかなり大きめです。

 

フロントカメラを搭載していますが、コンパクトPC時は左側となり、かなり特殊な位置となります。ディスプレイを立てるとセンター位置になります。

 

キーボード全体はこちらです。コンパクトPCとしては珍しいクセのないキーボードになっています。ただし、小型化していることもあってか、ThinkPadらしい打ち心地は失われています。

 

ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを測定し割り返してキーピッチを算出したところ、16.7mmとなりました。また、SINWAのデップスゲージでキーストローを測定したところ、0.8mmとなっています。

 

タッチパッド幅を計測したところ、65mmとなりました。

 

トップは通気口、及び、USB-C端子を備えています。

 

側面はスピーカーになっています。逆側も同様でステレオ式になっています。

 

下部には電源ボタン及び音量ボタンが備わっています。

 

本体右側を撮影した様子です。

 

本体左側を撮影した様子です。

 

キックスタンドを使って立てた様子です。

 

本体の重量を測定したところ、1155gとなりました。

 

タブレット単体では965gとなっています。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のメリット・魅力

折り目が全く見えない素晴らしいディスプレイ

ThinkPad X1 Foldを初めて見ると明らかに感じる魅力が折りたたみとは思えないディスプレイの出来。当サイトでは過去スマートフォンのGlaxy Foldをレビューしていますが、これらは同じOLEDディスプレイを搭載しながら折り目がほんのりと見えるくらいでした。ところが、このThinkPad X1 Foldではディスプレイはさらに大きいこと、またコンパクトPCとして使う場合に折り目がついた状態で使うことを考えると、折り目が全く見えないことにメーカーの技術力を感じました。

 

コンパクトPCとしての魅力

ThinkPad X1 Foldは折りたたみPCに注目が集まりがちですが、筆者としてはコンパクトPCに魅力を感じました。本体サイズが小さいPCは使い所が限られてしまいますが、普段はコンパクトPCでありながら広げると大型PCになるという考え方の方が使いやすいのではないかと思います。

 

SIMフリーで5G対応した事による機動性アップ

本検証ではテストしていませんが、本モデルは5G通信にも対応しています。ahamoをはじめ各社の通信サービスが5GのSIMのみで提供を始めていることからも5Gでの使いやすさが広がりつつあり、導入ハードルが下がっています。

 

大画面でスタイラスペンが使える

ThinkPad X1 Foldには購入時にスタイラスペンが付属します。ThinkPadシリーズでスタイラスペンが使えて、フラット入力がしやすいモデルはThinkPad X1 detacable、Yogaシリーズがありますが、このX1 Foldは13インチとなっているためシリーズで2番目の大きさになります。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のデメリット・欠点

プロセッサの性能は低い

ThinkPad X1 FoldにはCore i5の特殊なモデルが搭載されていますが、このプロセッサの性能はかなり低めです。値段なりのパフォーマンスを求めている人にはおすすめできません。

 

コンパクトだが軽い訳ではない

本モデルはサイズ的にかなりコンパクトですが、機能(ギミック)が詰まっていることもあってか、決して軽い訳ではありません。持ち運び前提にするのであれば、パフォーマンス、軽さともに兼ね備えたモデル(例えばThinkPad X1 Nano)などがあるのでそちらを選ぶ方が無難です。

 

価格が最大のボトルネック

ThinkPad X1 Foldの大きな弱点はやはり価格。約30万円という価格は購入するのに大きなネックになります。ただ、メーカーもたくさん売れる機種と捉えてはいないと思いますし、チャレンジングなコンセプトモデルに近い形だからこそ、次モデルでコストダウンしたりしたモデルを期待したいところです。

 

キーボードの質感はThinkPadではない

ThinkPadといえば、深く打ちやすいキーボードが魅力のシリーズですが、ThinkPad X1 Foldのキーボードは構造が優先されていることもあってか打ちづらい印象でした。またmicroUSB充電式となっています。

 

自動充電ではないため、別途充電しないといけませんが本体はUSB-Cでキーボードはmicro-USBなので使いづらさがあります。

 

スピーカーは籠った音がする

ThinkPad X1 Foldのスピーカー音は残念なほどクオリティが低く、こもった音がします。さらにコンパクト時にはステレオになるので問題ありませんが広げた際には地面側にスピーカーが来るため、口が塞がれてしまいより籠った音でモノラルのような音になってしまう弱点があります。

 

みんなの口コミ

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ThinkPad X1 Fold
Average rating:  
 2 reviews
 by 購入者

驚きのノートパソコン(もはやノートパソコンと言って良いのか考える必要があるレベル)です。折り目もほとんどありません。
大画面かつペン対応であるが故、Photoshopなどクリエイティブな作業を行いたくなってしまいますが、軽い編集以外は快適とは言えません。しかし、このサイズでこの利便性を持ち、かつこれだけの処理性能があるPCはあまり存在していないため、そういう意味ではプロセッサの性能は気になりません。
値段についても、年始のセールにて16万円にて購入可能であり、二年落ちではありますが値段について割高感は全くありませんでした。明らかに買って良かったと言えるでしょう。

 by SIMPC

世界初の折り畳み機構を持つ驚きのノートパソコン。ディスプレイに折り目がほぼ見えないのは本当にびっくりします。ただ、価格は現時点ではまだコンセプトモデルに近いこともあってかなり高め。またプロセッサ性能が低いので、実用性よりもロマンで買うモデルと言えるでしょう。

 

女性目線の口コミ

普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。

女性目線のコメント

  • 折り目がほとんど見えないので凄い
  • 折りたたんだ状態ではPCに見えない

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)がおすすめな人

新しい物好きの人

上で書いた通り、ThinkPad X1 Foldは市場には出てきていますがほぼコンセプトモデル的な扱いで値段は約30万円とかなり高価です。またそれに見合ったプロセッサの性能もないため、一般用途のパソコン目線で買うことはおすすめできません。折り畳みという最新鋭ギミックに惹かれる人のみが購入すべきモデルと言えるでしょう。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)がおすすめではないタイプ

外での作業性を目的にしている人

ThinkPad X1 Foldのコンパクトな見た目に惹かれ、外で作業をするために購入検討している人はやめておいた方が無難です。プロセッサはまだしも、キーボードの入力性が他のThinkPadに比べると弱いことが作業性に影響を及ぼすでしょう。また、キーボードの充電器はmicroUSBのため仮にバッテリーが切れてしまった時に本体充電から取れないこともおすすめできないポイントです。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)のカスタマイズ・モデルの選び方

ThinkPad X1 Foldにはカスタマイズはほぼなく、Snapdragon X55 5G搭載した5G対応の可否及びWindows OSを選べるかどうかがポイントになります。購入経路は公式サイトに加え、Softbankからも購入可能となっていますが自身の環境と照らし合わせて、目的に叶う方で購入ください。

公式サイトを見る

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)の実機レビューまとめ

魅力で買う折りたたみPC

結論

世界初の折り畳みパソコンで非常に本体クオリティが高く、過去評価してきた折り畳みスマートフォンと比べてもさらに高い質感を誇るマシンでした。

ただし、価格がついてきておらず一般用途ではありません。新しいモノ好きで、折り畳みを試してみたいというアーリーアダプター向けのデバイスと言えるでしょう。

2021年5月20日時点で税込339,152円から。現在の価格については公式サイトをご覧ください。

 

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)を安く買う方法

ThinkPad X1 Fold(2020年モデル)に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。

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