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ThinkPad X13s Gen1の実機レビュー:メリット・デメリットと評価まとめ

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レビュー・評価の概要

ARM搭載の13インチノート

ThinkPad X13 Gen1はプロセッサにSnapdragon 8cx Gen3を搭載したARM系のノートパソコン。

起動が早く、バッテリー持続時間が長いなどの利点を持ちつつ、5G(ミリ波も含む)対応したモデルとなっています。

本モデルはARM系プロセッサのため使えるアプリに制限がある場合があります。購入を検討されている方は必ず最後までご覧下さい。

当サイトの評価

総合満足度
 (4)
発売年度2022年
プロセッサSnapdragon 8cx Gen3
RAM16GB
ストレージ256GB
画面サイズ13インチ
GPU内蔵グラフィックス
USB-PD対応
モバイル通信選択可能
重量1110g
Cinebench R201342pts

※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。

ThinkPad X13s Gen1の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。

特徴

ここではThinkPad X13s Gen1の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。

ARM搭載のThinkPad

ThinkPad X13s Gen1はWindowsパソコンの中では珍しいARM系のSnapdragonを搭載したノートパソコンです。ARM系のプロセッサはスマートフォンに搭載されているものと同系統で、オンオフの切り替えが速い等の利点を持ちます。

長いバッテリー持続時間

ARM系が特筆すべきポイントとして、バッテリー効率が上げられます(スマホで使われるプロセッサのため、効率が良くなっています)。公称値は約31.2時間と非常に長く、Windowsノートパソコンの中では最長クラスに入ります。

オプションでWWANに対応

本モデルはオプション追加で5Gモバイル通信にも対応します。ARM系の得意な電源オンオフのスピーディさとWi-Fiの常時接続が噛み合うことで、外出先の小さな隙間時間も逃さずに作業することができます。

価格とコストパフォーマンス

2022年12月23日時点で208,043円からとベンチマークテストから見ると少し高めの値段設定になっています。Snapdragonを使うという特殊性もあるため、しょうがない部分かもしれません。

ThinkPad X13s Gen1の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

スペック

今回レビューしたThinkPad X13s Gen1のスペックは以下の通りです。

マシンスペック(技術仕様)

発売年2022年
サイズ206.4×298.7×13.4mm
重量本体1110g
アダプタ255g
CPUSnapdragon8cx Gen3
GPU内蔵グラフィックス
メモリ(RAM)16GB
ストレージ1st256GB
2nd
ディスプレイサイズ13.3インチ
解像度1920×1200
アスペクト比16:10
形式IPS液晶
リフレッシュレート60Hz
フロントカメラ画素数500p
物理シャッター有り
リヤカメラ画素数無し
Wi-Fia/b/g/n/ac/ax
bluetoothv5.2
モバイル通信非対応
光学ドライブ非搭載
バッテリーサイズ49.5Whr
公称値31.2時間

レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。

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ベンチマーク結果一覧

CINEBENCH

CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。

バージョン測定モード測定値[pts]
Cinebench R20マルチ1342
シングル208
Cinebench R23マルチ
シングル

Crystal Disk Mark

Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。

Read[MB/s]Write[MB/s]
SEQ1M Q8T13191.241929.72
SEQ1M Q1T12280.931597.63
RND4K Q32T16927.22369.40
RND4K Q1T134.0561.72

ゲームベンチマーク

ARMのためテストしておりません。

通信環境(Wi-Fi)のテスト

測定環境

Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。

テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。

1階部分

2階部分

ルーター前:530.16Mbps
ポイント②:423.62Mbps
ポイント③:602.03Mbps
ポイント④:400.45Mbps
ポイント⑤:295.38Mbps
ポイント⑥:159.7Mbps
測定項目ダウンロードアップロードPING
単位MbpsMbpsms
ルーター前530.16577.2415
ポイント②423.62415.8517
ポイント③602.03420.3814
ポイント④400.45512.6414
ポイント⑤295.38372.4513
ポイント⑥159.7248.7913

通信スピードテストの評価

全エリアで十分な通信速度が得られています。

USB-C(PD)による充電テスト

USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。

W数充電の可否検証に用いた機種
20WPowerPort Ⅲ Nano
30WPowerPort Atom Ⅲ Slim 30W
45WPowerPort Atom Ⅲ Slim 45W
61WRP-PC133
100WAUKEY PA-B7

外観

天板はブラック仕様でThinkPadとLenovoのロゴが配置されています。Z13と同じようにカメラ部分だけ飛び出した構造になっています。

背面も天板と同じ素材になっています。ARM系ということもあってか、排熱用のスリットがありません。

開いた様子です。IPS液晶搭載で非常に見やすいです。

最大開き角は140°程度です。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。スピーカーはキーボード横に配置されています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.53mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.2mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、115mmとなりました。

本体右側にはケンジントンロック、電源ボタン、ヘッドフォンジャックがあります。

本体左側にはUSB Type-Cポートが二つあります。

本体の重量を測定したところ、1110gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1365gとなりました。充電器単体では255gとなります。

メリット・魅力

起動が非常に速い

Snapdragonを搭載していることもあり、他のノートパソコンと比べても非常にスピーディ。同じタイミングでパフォーマンスの高いintel Core i7-1260P搭載のノートパソコンもレビューしましたが、画面の立ち上がりはSnapdragonの方が優れている印象です。

モバイルとの相性が特に良い

今回SIM自体のテストは行っていませんが、過去からARM系のパソコンはSIMと非常に相性が良いです。本モデルでは通常の5Gに加え、ミリ波にまで対応しているのでより快適に使えるでしょう。

約1lgで軽量のため持ち運びが楽

本体質量が公称値1.08kgとなっており軽いです。筆者の感覚では1.1kgを切ると持ち運びが楽になる印象なので、そういった意味でThinkPad X13s Gen1は外出向きと考えます。

デメリット・欠点

ARMのためアプリに制限がある

本モデルを購入するにあたって最も注意すべきポイントはARMを採用していること。ARM系のプロセッサでは対応していないソフトウェアがあるため、特殊なソフトを使っている場合、対応していないケースがほとんどなので、ソフトウェア側が対応しているかどうか必ずチェックするようにして下さい。

インターフェイスは少なめ

本体インターフェイスは左側のUSB Type-Cポートのみとなっています。またこのポートはThunderboltではないため、合わせて注意するようにして下さい。

180°の全開ができない

ThinkPadはヒンジが180°開閉できるケースがほとんどですが、本モデルは全開ができません。客先プレゼンをはじめ、画面を他の人と共有してみたい場合はこれまで通り行かないので注意して下さい。

おすすめなタイプ

開いたり閉じたりが多い人

ARM系ノートパソコンの魅力は何と言っても、起動の速さ。細かな隙間時間で作業をこなしたい人にとってはメリットが大きくなります。

持ち出しが多い人のサブ機

バッテリー駆動時間が長いことや、起動スピードが速いこと、そして5Gに対応し、軽量なため外出が多い人にとっては強い味方になってくれるでしょう。

おすすめできないタイプ

価格に対してスペックを求める人

このモデルはSnapdragon 8cx Gen3を搭載しているため、スペックよりもARMの特徴を活かしたパソコンです。そのため、単純なベンチマークスコアはintelプロセッサよりも落ちてしまい、対スペックで見た時のコストパフォーマンスはどうしても低くなってしまいます。

特殊なソフトウェアを使う人

デメリットでも書いた通り、ARM系では使えないソフトウェアが存在します。特殊であればあるほど、ARMに対応していないことは多いのでもし購入する場合は注意するようにして下さい。

カスタマイズ・モデルの選び方

本モデルはプロセッサが固定されているため、メモリ、ディスプレイ、WWANがカスタマイズの主な対象になります。筆者であれば、あまりスペックを上げずにWWANを搭載してモバイル通信を使えるようにカスタマイズするでしょう。

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実機レビューのまとめ

ThinkPad X13s Gen1はSnapdragonを搭載することで、モバイル性のパフォーマンスをアップさせたエッジのある一台です。

ARM系を採用することでアプリケーションが犠牲になっている部分もありますが、そこさえ理解していれば外出時の強い味方になってくれそうなモデルと言えるでしょう。

ThinkPad X13s Gen1の商品情報

現在の価格は以下の公式サイトで必ずご確認ください。

安く買う方法・コツ

ThinkPad X13s Gen1に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。

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