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レビュー・評価の概要
ThinkPad Z13(2022年モデル)はこれまでのラインナップと異なり、先進的な機能を搭載したよりウルトラブックらしいモデル。
プロセッサにはRyzen Pro 6000シリーズを搭載しており、パフォーマンスも十分高いことが特徴です。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Ryzen7 PRO 6860Z Ryzen 5 PRO 6650U |
RAM | 16~32GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | APU内蔵 |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 非対応 |
重量 | 1195g |
Cinebench R20 | 2791pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではThinkPad Z13の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
新世代のThinkPad
ThinkPad Z13はこれまでのThinkPadと思想が全く異なるモデルでThinkPadらしさに新しいテクノロジーを追加して、よりモダンにブラッシュアップしたモデルになっています。
特にThinkPadらしい打鍵感に感圧タッチパッドの組み合わせはこれまでにない所有欲を満たしてくれるノートパソコンになっています。
感圧タッチパッドを搭載
本モデルではタッチパッドが感圧式となっています。どこでクリックしても同じ感覚で使えるので、タッチパッドを多用する人にとっては使いやすくなっていると言えるでしょう。
Ryzenプロセッサを搭載
プロセッサにはRyzen6000シリーズが搭載されており、高パフォーマンス。ウルトラブックとは思えないほどの実力を秘めています。
標準付属の充電器は65W
ハイパワーなプロセッサを搭載しているにもかかわらず、標準付属の充電器は65W。比較的コンパクトで持ち運びも楽と言えます。
価格とコストパフォーマンス
ThinkPad Z13は2022年11月17日時点で224,290円からとなっています。ハイエンドなため、価格はもちろん高いですがパフォーマンス、外観クオリティなどを考慮すると妥当な値段です。
さらに国産の同レベルモデルと比べると一回りほど価格が安いので、そういった面ではコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
スペック
今回レビューしたThinkPad Z13のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 199.6×294.4×13.99mm | |
重量 | 本体 | 1195g |
アダプタ | 315g | |
CPU | Ryzen5 PRO 6650U | |
GPU | APU内蔵 | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | 液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 1080p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 51.5Whr |
公称値 | 22.8時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 2791 |
シングル | 519 | |
Cinebench R23 | マルチ | 6874 |
シングル | 1314 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 3214.37 | 3120.91 |
SEQ1M Q1T1 | 2119.86 | 3107.74 |
RND4K Q32T16 | 1522.17 | 2279.95 |
RND4K Q1T1 | 56.76 | 196.25 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2773 | やや重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 99.6 | 111.4 |
Adobe RGB | 80.8 | 82.6 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 680.72 | 596.99 | 14 |
ポイント② | 377.99 | 293.98 | 14 |
ポイント③ | 685.13 | 575.1 | 14 |
ポイント④ | 547.8 | 339.06 | 13 |
ポイント⑤ | 346.7 | 268.47 | 14 |
ポイント⑥ | 155.11 | 137.23 | 14 |
通信スピードテストの評価
通信速度は最長距離であっても100Mbpsを超える結果が得られており、十分と言えるでしょう。
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
天板は他のThinkPadとは少し違い特徴的で、上部にZ13のプレートが取り付けられた形状になっています。素材は金属となっています。

背面も金属素材ですが、こちらはブラックになっています。スリットが控えめであったり、各種刻印が目立たないように印字されているので、とてもお洒落です。指紋が付きやすい点は注意して下さい。スピーカー性能は高めでよい音質を楽しめます。

開いた様子です。ベゼルが狭めになっているためとてもカッコ良い印象を受けます。

最大開き角は135°になっています。

キーボード全体です。日本語キーで専用に設計されており全て独立となっています。また注目して欲しいポイントがFnとCtrlでThinkPadは他メーカーと逆転していましたが、このモデルから合わせるようになっています。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.5mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.4mmとなっています。ThinkPadシリーズとしてはかなり浅めのキータイピングとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。感圧式タッチパッドが採用されているため、今までと使い心地が全く異なります。

本体右側にはUSB Type-C(Thunderbolt4)と電源ボタン、ヘッドフォンジャックを搭載しています。

本体左側にはUSB Type-C(こちらもThunderbolt4)を搭載しています。

本体の重量を測定したところ、1195gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、1510gとなりました。充電器単体では315gとなります。

メリット・魅力
感圧タッチパッドが魅力的
ThinkPad Z13はこれまでになかった感圧式のタッチパッドを搭載。スムーズな操作感とどこをクリックしても同じ感覚であったり、複数本でのジェスチャーコントロールが行いやすくなっています。
持ち運びに向くサイズ感
名前の通り13インチで薄型のウルトラブックのため、持ち運びに向きます。また検証の結果の通り、61W以上のGaN型充電器で通常充電できたことから、アクセサリーをコンパクトに持ち運べます。
Ryzenプロセッサのパフォーマンスが高い
過去のRyzenシリーズの性能も秀逸でしたが、6000シリーズも魅力的。高いパフォーマンスで不満なく作業が可能です。また、視点を変えれば性能が高い分長く使えることにもなります。
デザインがとても良い
ThinkPad Zシリーズはこれまでとはコンセプトが異なることもあり、デザインがガラッと変わったモデルです。これまでは上位モデルの「高品質なカーボン」というイメージが強かったですが、打って変わり上品なメタル素材というイメージになりました。
デメリット・欠点
クラスの中では重め
13インチクラスは競争が激しく、特に軽量モデルが群雄割拠しています。そのため、相対的に本モデルは重さの部分でマイナスに働いてしまいます。
インターフェイスがUSB Type-Cのみ
ウルトラブックということもあってか思い切りがよく、インターフェイスはUSB Type-Cのみとなっています。インターフェイスが乏しいので、ビジネスパーソンの方は何かあった時のためにハブを持ち歩く方が良いかもしれません。
打鍵感が浅く過去からのThinkPadユーザーは注意
ThinkPadユーザーに最も注意してほしいポイントが打鍵感です。これまで深いストロークが特徴的なThinkPadでしたが、Z13は浅いキータッチになっています。
こちらも悪くはないですが、ThinkPadらしさを期待すると、思いを裏切られてしまう可能性があるため、チャンスがあれば家電量販店などで一度触ってみることをおすすめします。
おすすめなタイプ
Macと併用する人
個人的にMacユーザーとは親和性が高いモデルだと感じました。感圧タッチだけでなく、キータッチも似ているので、MacOSとWindowsを両方使う人は検討してみても良いでしょう。
最新テクノロジーを試したい人
本モデルは感圧タッチを始め、新しいテクノロジーが詰まったチャレンジングなモデルです。今までのWindowsノートパソコンにない楽しさがあるので、アーリーアダプターの方におすすめです。
おすすめできないタイプ
インターフェイスを必要とする人
外部インターフェイスがUSB Type-C(Thunderbolt4)のみとなっているため、拡張性に乏しい弱点があります。外部発表やデータの授受が多いビジネスパーソンや大学生の方はハブを持ち歩く必要があることに注意して下さい。
一日中持ち運びが多い人
デメリットでも書いた通り、ThinkPad Z13は重めです。もし普段から持ち運びが多いならThinkPad X1 CarbonやThinkPad X1 Nanoを検討する方が良いでしょう。
カスタマイズ・モデルの選び方
ThinkPad Z13はプロセッサの違いだけでなく、BTOカスタマイズにも対応しておりRAM32GBやSSD1TB、さらにディスプレイ構成まで変えることができます。元々のスペックでも十分ですが、さらにパフォーマンスが欲しい人は自身の要求に合わせてオプションを加えていきましょう。
実機レビューのまとめ

感圧タッチや優れたスピーカーを始め、Zシリーズとして先進性を詰め込んだモデルになっています。
今までと異なる点もありますが、それも含めて楽しいモデル。新しい物好きの人はぜひ検討してみて下さい。
安く買う方法・コツ
ThinkPad Z13に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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