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レビュー・評価の概要
ボディデザインを大きく変更した16インチのThinkPad。パワフルなRyzen6000シリーズプロセッサや感圧タッチパッドを搭載したモデルになっています。
上位モデルではdGPU搭載モデルも選択可能です。
発売年度 | 2022年 |
プロセッサ | Ryzen 9 PRO 6950H Ryzen 7 PRO 6850H Ryzen5 PRO 6650H |
RAM | 16~32GB |
ストレージ | 512GB~1TB |
画面サイズ | 16インチ |
GPU | AMD Radeon RX6500M AMD Radeon Graphics |
USB-PD | 対応 |
モバイル通信 | 対応モデル有 |
重量 | 1810g |
Cinebench R20 | 3840pts |
※スペック情報は執筆時のものです。現在の情報は以下から公式サイトでご覧ください。
本記事ではメーカーより貸し出しを受けて、テストを行っています。
特徴
ここではThinkPad Z16の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen6000シリーズ搭載
ThinkPad Z16は最新のRyzen6000シリーズプロセッサを搭載。ベンチマーク結果でも後述しますが、シングルスコアも向上しており、高いパフォーマンスを持っています。Ryzen5でも十分と言える程です。

上位モデルはdGPUも選択可能
本モデルにはいくつかラインナップがあり、上位モデルはdGPUが選択できるモデルも存在します。これまでThinkPadはExtremeしかdGPUの選択肢がなかったので、大きな転換点と言えるモデルになりそうです。
アルミを採用したデザイン性あふれるボディ
ThinkPad Z16ではアルミを採用した薄くてカッコいいボディが特徴です。外観からもわかるように、特にキーボード側が薄くなっています。
感圧式タッチパッドを採用
ThinkPad Z16ではWindowsパソコンとしては珍しい感圧式のタッチパッドが採用されています。
価格とコストパフォーマンス
プロセッサのパフォーマンスから考えると若干価格帯は高めです。パフォーマンス云々だけでなく、本体のデザイン性も含めてコストがかかっていると考えるべきモデルと言えるでしょう。
また、メリット・デメリットでも後述しますが、今までのThinkPadにはなかったタッチパッドが採用されているため、そういった部分でもコスト面での寄与がありそうです。
スペック
今回レビューしたThinkPad Z16のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2022年 | |
サイズ | 354.4×237.4×15.8mm | |
重量 | 本体 | 1810g |
アダプタ | 510g | |
CPU | Ryzen 7 Pro 6850H | |
GPU | AMD Radeon Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | – | |
ディスプレイ | サイズ | 16インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz |
フロントカメラ | 画素数 | 1080p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.2 | |
モバイル通信 | 非対応 | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 公式記載なし |
公称値 | 25.9時間 |
レビュー機種以外にも詳細のカスタマイズが可能です。細かなスペック内容についてはテーブル下の公式サイトのリンクからご覧ください。
ベンチマーク結果一覧
CINEBENCH
CINEBENCH(シネベンチ)のベンチマーク結果は以下の通りです。R20は1回の測定、R23は10分間の連続測定結果を掲載しています。
バージョン | 測定モード | 測定値[pts] |
---|---|---|
Cinebench R20 | マルチ | 3840 |
シングル | 573 | |
Cinebench R23 | マルチ | 9325 |
シングル | 1482 |
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Mark(クリスタルディスクマーク)の測定結果は以下の通りです。
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
---|---|---|
SEQ1M Q8T1 | 6825.80 | 4908.79 |
SEQ1M Q1T1 | 3664.07 | 3207.80 |
RND4K Q32T16 | 861.53 | 418.33 |
RND4K Q1T1 | 63.96 | 131.85 |
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。
モード | スコア | 評価 |
---|---|---|
最高品質 | – | – |
高品質 | – | – |
軽量品質 | 2820 | やや重い |
モニター評価(色域)
モニターの色域カバー率は以下の通りです。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
測定項目 | カバー率[%] | カバー比[%] |
---|---|---|
sRGB | 99.2 | 103.6 |
Adobe RGB | 76.2 | 76.8 |
通信環境(Wi-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。
テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
1階部分

2階部分

測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 690.59 | 607.91 | 15 |
ポイント② | 467.3 | 439.13 | 14 |
ポイント③ | 684.81 | 582.29 | 13 |
ポイント④ | 588.78 | 538.33 | 13 |
ポイント⑤ | 312.16 | 275.27 | 13 |
ポイント⑥ | 192.34 | 170.64 | 14 |
通信スピードテストの評価
USB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。「〇」は通常通り充電、「△」は充電されるものの低速表示、「×」は充電できないことを示します。
W数 | 充電の可否 | 検証に用いた機種 |
---|---|---|
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 30W |
45W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim 45W |
61W | △ | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
外観
板はYogaシリーズと似た雰囲気ですが、カメラ部分だけが特徴的でZ16の刻印があります。ロゴ関係の主張が強くなく、シンプルな印象を受けました。

背面はパンチング形式での排気口が用いられています。スピーカーは背面にはありません。

開いた様子です。上下左右のベゼル幅は狭く高級感があります。また、側面にシルバーのラインが見えており今までのThinkPadにはない高級感を感じさせます。

最大開き角は135°です。

上部ベゼルです。

下部ベゼルです。

キーボード全体です。全て独立かつ、ThinkPadのトラックポイントは健在です。

ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.46mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.7mmとなっています。

タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。感圧式が用いられており、クリックが非常に浅くなっています。音はほとんどしませんが、かなり独特なタッチパッドなので、購入前に一度触ってみることをおすすめします。

本体右側にはセキュリティロック、USB Type-Cポート、ヘッドフォンジャック、電源ボタンを備えます。

本体左側はUSB Type-Cポートが二つ、フルサイズSDスロットを備えます。

スピーカーは低音から高音まで全体的に出ており、ノートパソコンとしては品質は高めと感じました。ただし、最高クラスというわけではなく、高級ゲーミングパソコンなどには劣るイメージです。

本体の重量を測定したところ、1810gとなりました。

充電器込みの重量を測定したところ、2320gとなりました。充電器単体では510gとかなり重めになります。

メリット・魅力
本体デザインがとにかくカッコいい
これまでのThinkPadと一線を画すデザインになっており、スリムでカッコいいデザインが特徴です。まさに新しいステージという感じが伝わってくるモデルになっています。
プロセッサのパフォーマンスが高い
ベンチマークの結果からRyzen6000シリーズのパフォーマンスが非常に高いことがわかりました。Ryzenシリーズは3000から4000になったときにマルチコアのスコアがぐんと伸びましたが、今回5000から6000ではシングルコア強化の面が目立っています。
キーボードとタッチパッドが新感覚
メリットにもデメリットにもなり得る部分ですが、ThinkPad Z16はキーボードストロークが他のThinkPadと比べると浅めになっています。またタッチパッドが感圧式に変更されているため、普通のノートパソコンと比較するとかなり違和感を覚えます。
デメリット・欠点
USB Type-Cポートのみ
16インチの大型ノートパソコンですが、外部インターフェイスが少なく、USB Type-Cポートのみとなっています。接続時にはハブが必須となるので注意して下さい。
USB PDが100Wから通常充電である
付属の電源アダプターは135Wで大型な上、USB PDの充電が100Wから警告なし充電となります(dGPUなしモデルも135Wが付属)。
大柄なPCのため、持ち運びを前提にする人は少ないかもしれませんが、いざ持ち出す時の負担が大きい点は注意しておくと良いでしょう。
おすすめなタイプ
大きなディスプレイのPCが欲しい人
16インチということもあり、情報量の多さは格別です。大きなディスプレイで作業したい人にはもちろん向いています。
浅いタイピングをする人
ThinkPadといえば深いタイピングが特徴というイメージがありますが、本モデルはどちらかといえば浅めです。軽いタッチで入力するような人に向いているモデルと言えるでしょう。
おすすめできないタイプ
これまでのタイピングを求める人
最も注意しておかなければならないタイプがこれまでのThinkPadのタイピングを期待する人です。メリットのところでも書きましたが、良くも悪くもチャレンジングなモデルで特にキーボード、タッチパッド周りは大きな改良が加えられています。
そのため、「これまでのThinkPadが欲しかった」という人にとっては期待はずれになる可能性が高いので、事前に家電量販店等でチェックしてから購入することを検討して下さい。
カスタマイズ・モデルの選び方
ThinkPad X16シリーズで大きく異なるポイントはdGPUを搭載しているかどうかです。ただ対性能面のコストパフォーマンスが高くないので、ブランドを重視する人向けとなりそうなところ。
そのため、非搭載モデルを選んでおいて、必要に応じて外付けGPUを検討しても良いかもしれません。
実機レビューのまとめ

キーボード、タッチパッド周りが刷新されたことで大きくステージを変化させたThinkPad。良い点も悪い点もあり、人によって受け取り方がかなり変わるモデルであると言えるでしょう。
新しい物好きの筆者としては機構が魅力的な一台ではあるものの、購入を検討している方は実用性の方が大事なので、まずは一度家電量販店などで触ってみて検討することをおすすめします。
安く買う方法・コツ
ThinkPad Z16に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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