Yoga Book 9i Gen 8のレビュー概要
特殊な2ディスプレイノート
Yoga Book 9i Gen8は画面を2枚搭載した特殊なノートパソコンです。本体のみでキーボードタイピングまで完結することができるようになっている他、付属の物理キーボードを利用することでクラムシェルのように使うことも可能。
他にディスプレイを立てることで2画面ディスプレイでの利用もできる用途の広いノートパソコンです。
こんなタイプにマッチ
- 外出先でも画面を広く使いたい人
- 先進的なPCを使いたい人
簡易スペック表
発売日 | 2023年 |
CPU | Core i7-1335U |
RAM | 16GB |
ストレージ | 1TB |
画面サイズ | 13.3インチ |
GPU | Iris Xe Graphics |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 非搭載 |
重量 | 1340g |
Cinebench R20 | 2632pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Yoga Book 9i Gen 8の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
Yoga Book 9i Gen 8の特徴
ここではYoga Book 9i Gen 8の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
特殊な2ディスプレイモデル
本モデルは正面のディスプレイに加え、キーボード部分もディスプレイになった特殊な2in1コンバーチブルノートパソコンです。どちらもタッチパネルに対応しており、タブレットのように画面のみで運用が可能となっています。
外観で後述しますが、仮想キーボードを表示させたりして利便性を高めています。
第13世代intelプロセッサ搭載
このモデルのプロセッサは1種類のみとなっており、Core i7-1355Uだけです。Uシリーズではあるものの第13世代ということもあり、高いパフォーマンスが魅力です。
アクティブペンや他備品が付属
Yoga Book 9i Gen8は特殊なモデルということもあり、本体スタンド、物理キーボード、アクティブペンなど備品が充実しています。詳しくは外観の項目で解説します。
Yoga Book 9i Gen 8の価格とコストパフォーマンス
非常に特殊なノートパソコンであるため、コストパフォーマンス評価は難しいです。筆者の感想としては、本体の出来から考えると安いように感じるくらいですが、プロセッサパフォーマンスやバッテリーなどを考えると人の捉え方で評価が変わるモデルと感じました。
Yoga Book 9i Gen 8のスペック
今回レビューしたYoga Book 9i Gen 8のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売年 | 2023年 | |
製品名 | Yoga Book 9i Gen8 | |
型式 | 13IRU8 | |
サイズ | 203.9×299.1×15.95mm | |
重量(実測) | 本体 | 1340g |
電源アダプタ | 175g | |
CPU | Core i7-1335U | |
GPU | Iris Xe Graphics | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 1TB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 2880×1800 | |
アスペクト比 | 8:5 | |
形式 | OLED | |
リフレッシュレート | 60Hz | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 無し | |
フロントカメラ | 画素数 | 500万画素 |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 80Whr |
公称値 | 9.6時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
Yoga Book 9i Gen 8のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は2632pts、シングルコア696ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Cinebench R20のスコアは2500ptsを超えておりノートパソコンとしては高いレベルになっています。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は6640pts、シングルコア1811ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。ベンチマークの結果から、READが5000MB/sを超えるような性能が出ておりノートパソコンとしては高いパフォーマンスとなっています。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 2792 | やや重い |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
Yoga Book 9i Gen 8のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。
カバー率及び、カバー比のデータは以下の通りです。
カバー率 | カバー率 | カバー比 |
sRGB | 100% | 154.1% |
Adobe RGB | 96.6% | 114.2% |
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
Yoga Book 9i Gen 8の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 528.93 | 309.94 | 15 |
ポイント② | 246.08 | 214.06 | 15 |
ポイント③ | 643.15 | 324.3 | 15 |
ポイント④ | 475.54 | 248.94 | 13 |
ポイント⑤ | 224.35 | 252.51 | 13 |
ポイント⑥ | 131.4 | 107.3 | 15 |
通信スピードテストの評価
全エリアで100Mbpsを超えるパフォーマンスが出ており、十分な性能を持っていると言えるでしょう。
Yoga Book 9i Gen 8のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。30W以下では低速充電表示となりましたが、45W以上では通常通りの充電が可能でした。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | ◯ | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | ◯ | RP-PC133 |
100W | ◯ | AUKEY PA-B7 |
Yoga Book 9i Gen 8の外観
背面にはYOGAのロゴとメーカーロゴが配置されています。
開いた様子です。上下ともにディスプレイになっています。
ディスプレイは縦向きで横に画面としてすることも可能です。
縦型利用時で利用する付属スタンドです。
正面から見た様子です。2in1コンバーチブルパソコンの中ではベゼルがかなり狭い印象を受けます。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
こちらはディスプレイ上に写したタッチ式のキーボードです。入力時の振動が絶妙でしっかりとタイピングしている気にさせてくれます。タッチパッド、クリックも普通のノートパソコンの感覚で使えます。
付属の物理キーボードをミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、19.5mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.0mmとなっています。
本体右側にはUSB Type-Cポートが2つあります。
本体左側にはUSB Type-Cポートが2つあります。
本体の重量を測定したところ、1340gとなりました。
物理キーボードのみの質量は240gとなっています。
充電器込みの重量を測定したところ、1515gとなりました。充電器単体では175gとなります。
Yoga Book 9i Gen 8のメリット・魅力
ディスプレイの自由度が高い
2面ディスプレイになっているため、情報量が多くノートパソコンでありながら自由度が高いことが大きなメリットです。特に資料を参考にしながらPC作業するタイプの人にとってはこのディスプレイ構成は使い勝手がとても良いでしょう。
タッチキーボードのクオリティ
本モデルではタッチキーボードを利用して入力することができますが、タッチ時の振動の工夫により、入力の反応クオリティが非常に高く思った以上に普通に入力できてしまいます。タッチタイピングをするには慣れが必要だとは思いますが、慣れれば可能なのではと思わせてくれるレベルです。
サウンド性能が高い
しっかりとしたスピーカー性能を有しており、ノートパソコンとしては十分な音響で動画、音楽を楽しむことができます。
2ディスプレイの割に軽い
本体は約1.3kgと昨今のコンパクト13.3インチとほぼ変わらないレベルに軽量化されています。
Yoga Book 9i Gen 8のデメリット・欠点
本体使用時間が短い
2画面かつ、どちらもOLEDディスプレイということで本体のバッテリー駆動時間は10時間以下とかなり短めになっています。
アクティブペンが本体格納ではない
とても残念だったポイントがアクティブペンが本体内蔵ではないことです。同メーカーのモデルではペン内蔵になっているものも幾つかあります。Yoga Book 9i Gen8はタッチパネルを全面に押し出したモデルということもあって、逆にペン内蔵ではない点が物足りなく感じました。
仮想タッチパッドの操作性は課題あり
仮想キーボードのクオリティは高いものの、仮想タッチパッドの方で細かい動きを使用とすると思った動きの通りにならないことが何度かありました。精密な動きをしたい場合は別途マウスを準備したほうが良いでしょう。
みんなの口コミ
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2画面ディスプレイという特殊性がありながら、実用性も十分に兼ね備えたモデルです。価格は高いですが、その分他のパソコンにはない先進性に触れることができるでしょう。
Yoga Book 9i Gen 8がおすすめな人
出先で複数画面をよく使う人
出先で複数ディスプレイを使う場合、これまではサブディスプレイを持ち運ぶしか選択肢がありませんでしたが、このモデルであれば一台で複数画面を使うことができます。それでいて、本体質量は1.3kg程度とかなり軽いのもメリットとして働きます。
Yoga Book 9i Gen 8がおすすめではないタイプ
物理タイピングを使いよく外出する人
タッチパネル型キーボードのクオリティは十分高いものの、一般的なキーボードを使っている人からすれば慣れが必要です。また手の感覚でキーボードを探れないこともタッチパネルの弱点です。物理キーボードは付属するものの持ち運びする場合質量がプラスされてしまうため、不利になると言わざるを得ません。
メモリを多く使う人
本モデルは16GBメモリのみとなっています。メモリの使用量が大きいアプリを利用する人にとっては本体価格から考えてコストが見合わな異様に感じます。
Yoga Book 9i Gen 8のカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルにカスタマイズはなく1種のみとなります。
Yoga Book 9i Gen 8の実機レビューまとめ
Yoga Book 9i Gen 8を安く買う方法
Yoga Book 9i Gen 8に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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