Artist 15.6 Proのレビュー概要
XP-Penの廉価15インチ
XP-PENが発売している15.6インチの廉価版液晶タブレットです。廉価版ですが、基本的な性能はきちんとおさえつつ、高い色域カバー率やショートカットキーを備えるモデルとなっています。
ただ、本サイトで実際にイラストレーターさんにレビューして頂いた結果、線や濃淡に差があったりするケースが見られました。筆圧が弱い方はぜひ参考にしてください。
簡易スペック表
メーカー | XP-Pen |
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
NTSC | 88% |
ペン | 充電不要 |
※詳細スペックはこちら。
Artist 15.6 Proの実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。レビューについては、イラストレーターさんに作例、メリット・デメリットを回答いただいております。
※本記事はamazonで購入した上でレビューを行っています。
Artist 15.6 Pro の特徴
この項目では、Artist 15.6 Pro の特徴についてのみ触れています。実際に使った感想はメリット・デメリットでご覧ください。
15.6インチの廉価版タブレット
Artist 15.6 ProインチはXP-Penが発売しているタブレットの中で、廉価版に位置するモデルです。15.6インチでありながら、3万円台で購入することが可能なモデル。またこの価格帯でショートカットキー、クイックホイールが付いていることも魅力の一つです。
広い色域カバー率と視野角の広いディスプレイ
Artist 15.6 Proは88%NTSC(120%sRGB)の色域カバー率と178°の広い視野角を持ちます。視野角が広いことでどんな角度でも色味が変わらずかけるメリットがあります。本来この価格帯のパソコンではTN液晶も多いため、利点と言えるでしょう。また、イラストレーターの方からも発色が良いというコメントを頂いています。
Artist 15.6 Pro のスペック
今回レビューしたArtist 15.6 Pro(DTK1660K0D) のスペックは以下の通りです。なお、Wacom Pro Pen2が付属します。
マシンスペック(技術仕様)
発売日 | 2019/1/24 | |
寸法 | 443×280×12.6 mm | |
重さ | - | |
ディスプレイ | サイズ | 15.6インチ |
形式 | IPS | |
画素数 | 1920×1080 | |
sRGB | 120% | |
Adobe RGB | 記載なし | |
NTSC | 88% | |
ペン性能 | 筆圧感度 | 8192段階 |
傾き検知 | ±60° | |
充電形式 | 充電不要 | |
ショートカット | キー | 有り |
リングホイール | 有り | |
インターフェース | HDMI | 〇 |
DisplayPort | × | |
VGA | × | |
サポート | Windows | Windows7~ |
Mac | 10.10~ |
スペックの解説
Artist 15.6 Proは最低限の機能を抑えつつ、色域カバー率が広いモデルです。Wacom Cintiq16がインチサイズ的にライバルになりますが、こちらのモデルの方がカバー率は広め。さらにホイール、ボタンともについているため、左手デバイスを必要としないメリットがあります。
Artist 15.6 Pro の外観
梱包された様子です。初期ではフィルムが貼られた状態になっています。
剥がした様子です。
背面です。スタンドは付属していません。
タッチホイールと8つのボタンが付属しています。
逆側には接続用の端子のコネクタ、電源ボタン等があります。
実際につなげた様子です。本体から出るケーブルは一本です。
本体下部のスタンドです。
プラスチック製で1段階調整となっています。
実際に立てかけた様子です。
角度はおよそ20°となっています。
ペンは専用のケースに収納されています。なおそのままホルダーとして利用も可能です。
ペン逆側には替え芯が付属しています。
付属ペンの持ちて部分の太さは13mmでした。ただしストレートではないため人によっては太さが変わります。
電源コンセントです。折り畳み式プラグになっています。
付属のケーブルです。左側は延長、右側がメインの接続用になっています。
電源コネクタは海外用も入っています。
Artist 15.6 Pro の作例
作例
橘さんに関連サイトキャラクター「ネメリア」を描いて頂きました。
制作者 | 橘さん (Twitter) |
制作PC | IdeaPad Flex550 |
PCメーカー | Lenovo |
OS | Windows 10 home 64bit |
CPU | Ryzen5 4500U |
RAM | 8GB メモリ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
利用ツール・ソフト | MedibangPaint Pro |
検証環境はこちらです。
橘さんの他作例は「Artist Pro 12」、「innovator16」、「Wacom Cintiq16」でも掲載しています。
Artist 15.6 Pro のメリット・魅力
メリット・デメリットについては作例を書いて頂いた橘さんより頂いています。
発色が綺麗
発色が綺麗で、色がくっきりしています。私は少し顔を傾けて斜めから描く癖があるのですが、斜めから見ても液晶が綺麗に見えます。またキャリブレーション設定をすることで、少し斜めから見ても画面とペン先のズレが少ないと感じました。
キャリブレーションは赤いポイントをタッチして行います。
接続が簡単
液晶タブレット本体が薄くて軽く、持ち運びや出し入れがしやすいです。またケーブル接続は、液晶タブレット本体にHDMIケーブルとUSB2つをパソコンに繋ぐだけで動きます。コンセントいらずで接続が楽です。(USBポートが足りないときは、赤いUSBに付属のコンセントをつけて給電可能です)
描きやすいサイズ
Artist 15 Proは描画エリアが約B5サイズより少し小さいくらいです。こちらのレビュー前にArtist12Proのレビューもさせていただいたのですが、大きなサイズのイラストを描くときは、描画エリアが大きいほうが描きやすかったです。
Artist 15.6 Proのデメリット・欠点
線や濃淡ががたつく
縮小したキャンバスで線を引き拡大した場合、線のがたつきが出たり、水彩ツールの濃淡がきれいに塗れないことがありました。拡大して描いて縮小する分にはきれいに描けているのですが、腕や足など長いストロークで描く部分が難しかったです。以下は直線を塗った様子です。
濃淡を描いた様子です。差が表れています。
目が疲れる
デフォルトの明るさ設定で2時間ほど描いていると、目に疲れを感じました。設定画面で明るさを下げたり、こまめな休憩を取る必要を感じました。
筆圧が弱いと反応しない
私は筆圧がやや弱めなのですが、筆圧設定「ふつう」で書こうとするとほとんど線が描けなかったです。そのため、筆圧「やわらかめ」にして描いています。こちらが標準状態。
柔らかめにした時の設定です。
みんなの口コミ
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廉価版ながら、薄くしかもバスパワーで使えるので配線の手間がかからないモデル。色域カバー率が広くクリエイター向きなのも特徴。ただ、線がブレたりすることがあったのがかなり気になるところ。人によっては合わない可能性あり。
Artist 15.6 Proの実機レビューまとめ
安い15.6インチ液タブを探す人に
結論
XP-Pen Artist 15.6 Proは電磁誘導式ペンを採用していたりバスパワーで動くというメリットがありますが、線や濃淡が安定しない、というデメリットがありました。
安さが魅力のため、そこまで求めること自体が酷な気もしますが、もし買って後悔したくないのであれば、Wacom Cintiq16を検討しておきましょう。ケーブルが多いなど取り回しの問題と価格が倍するデメリットがありますが、レビューでは線に関する問題はありませんでした。