WRC-X3000GSレビューの概要(ポイント)
角無しWi-Fi6対応ルーター
ハイエンドを中心に普及し始めたWi-Fi6ですが、高級機に搭載されることが多いゆえに、アンテナ(角)が生えたモデルがほとんど。
ところがこのWRC-X3000GSはアンテナなしの小型化モデルです。本体サイズは大きめですが、アンテナがないことですっきりとしており、LEDの主張も小さく、リビングにおいても違和感の少ないモデルです。
ただしテストしてみたところ、iPhone系で電波が弱い問題がありました。詳しくは通信速度比較で実験結果を紹介しています。
iPhoneユーザーがいる場合は注意しておきましょう。
WRC-X3000GS 実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。購入検討している人はキャンペーンを必ずお読みください。
※本製品はamazonで購入しレビューしました。
WRC-X3000GSの特徴
Wi-Fi6に対応
WRC-X3000GSは、Wi-Fiの最新規格Wi-Fi6(ax)に対応しています。acでも十分早かったですが、axとなることでさらに高速化したスループットを達成しています。
角無しのすっきりしたモデル
Wi-Fi6対応モデルはまだ新しい規格です。そのため、ハイエンド機種への搭載が基本となっています。Wi-Fiルーターのハイエンド機種はアンテナが外部に出力されているものがほとんど。
一方で、WRC-X3000GSは角無しのすっきりとしたモデルとなっています。さらに外観で書いているようにACアダプタもコンパクト。リビングにすっきりと設置したい人にぴったりのモデルです。
IPv6対応モデル
インターネットをさらに高速化できる技術の一つにIPv6があります。利用のためには、インターネットプロバイダがIPv6に対応していること、ルーターが対応することの2つが必要です。
WRC-X3000GSはIPv6、およびIPv6 over IPv4に対応しており高速化に対応したWi-Fiルーターとなっています。
有線LANは全てGiga対応
WRC-X3000GSで搭載されている有線ポートは全てGiga対応となっています。ゲームをはじめ、高速通信を求める人にとって使いやすいモデルと言えるでしょう。
WRC-X3000GSのスペック
今回レビューしたWRC-X3000GSのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(抜粋)
発売年度 | 2019年9月 |
メーカー | Elecom |
最大受信速度 | 2402Mbps(5GHz) 574Mbps(2.4GHz) |
最大送信速度 | 記載なし |
メッシュWi-Fi | × |
ビームフォーミング | 〇 |
質量 | 約600g |
サイズ | 140×40.0×207mm |
ディスプレイ | なし |
対応規格 | a/b/g/n/ac/ax |
最大接続台数 | 36台 |
アンテナ | 4本 内蔵4本 |
LANポート数 | 4本 |
IPV6プラス | 〇 |
推奨環境 | 公式記載なし |
※さらに詳細の仕様書は公式サイトをご覧ください。
スペックの解説
WRC-X3000GSはWi-Fi6に対応していますが、最大速度は2402Mbpsとなっています。以前レビューしたRT-AX92Uは最大速度が4804Mbpsのため、それと比べると低くなっています。
メッシュWi-Fiは非対応、アンテナは内臓ということもあって4本と控えめの構成になっています。またIPv6プラスに対応しています。
WRC-X3000GSの外観
WRC-X3000GSの外観はアンテナがなく、非常にすっきりとしたものになっています。
側面はメッシュが切られてますが、さほど大きくはありません。ELECOMのブランド文字部分のみ光沢仕様になっています。左右ともに同じデザインです。
背面はこちら。動作モード設定、WPS、リセットボタン、Giga対応のLANポート4つ、そしてACアダプタ接続部です。
iPhoneとの比較サイズがこちらです。一般的なWi-Fiルーターよりは大き目と考えて頂く方が良いでしょう。
手に持ってみた様子がこちらです。大きさを感じると思います。
底面はこちら。WRC-X3000GSは全て梱包された状態で送られてくるため、組み立ては必要ありません。なお、下部にSSID、暗号化キーがあります。LINKSYSやASUSのように初期設定をする必要もありません。
ACアダプタはこちらです。コンセント接続部が大きいタイプなのでタコ足配線するときには注意が必要です。
付属のLANケーブルは黒のフラットケーブル、カテゴリーは5Eでした。
WRC-X3000GSの通信環境テスト
通信測定を行った結果を以下に示します。環境は光インターネット1Gbps、IPv6非対応。テスト用にiPhone11 Pro(Wi-Fi6対応)、AndroidはPixel4、PCはVAIO SX14を用いました。全てアプリ版ooklaにてテストを行っています。
iPhone 11 Proの測定結果です。赤いWi-Fiマークが設置場所。青が壁です。おおよその距離は縦8.2m、横10.5mとして見て下さい。
続いてPixel4です。
最後にVAIO SX14です。
結果としては、iPhone以外はそれなりの速度を観測することができました。最も長距離にあたる部屋2で50Mbps以上の速度が出ていたことは驚きです。ただし、VAIO SX14で考えると元が226Mbpsなので、1/4以下になっています。
問題はiPhone 11 Proです。Wi-Fi6に対応した規格のはずですが、一番遠い部屋2で電波が届かないという結果に。iPhoneユーザーは購入を気を付けた方がいいかもしれません。
WRC-X3000GSのメリット・長所
Wi-Fi6とIPv6プラスに対応している
WRC-X3000GSのメリットはなんといっても、Wi-Fi6とIPv6に対応していること。現状の通信規格の中で高速化は全対応しています。
iPhone11 Proが対応したことで、これからWi-Fi6には順次対応していくはずですし、PCも同じです。すでにハイエンド機種(例えば、ZenBook Pro DuoやSurface Laptop3(13.5インチ))は対応してきています。
先に対応ルーターを購入しておくことでこれからの高速化を余すことなく利用できるメリットがあります。
デザインがすっきりしている
このルーターの一番のメリットはデザインがすっきりしていることです。Wi-Fi6対応ルーターの中で、角無しデザインはまだ稀。もしすっきりしたデザインで使いたければこのWRX-3000GSはおすすめの一台です。
初心者でも扱いやすい
Wi-Fi6を搭載している機種は、良くも悪くもハイエンド。玄人が使うことを前提にしているケースが多くみられます。そのため、IPアドレスを打ち込んでパスワード設定するなど、手間がかかってしまう弱点があります。
WRC-X3000GSの場合は、最初からSSID、パスワードも決まっていますし、接続して立ち上げるだけで使える状況が作れます。なので、初心者でも非常に使いやすいWi-Fiルーターと言えます。
WRC-X3000GSのデメリット・欠点
バンドステアリング機能は不要
昨今のWi-Fiルーターには、2.4GHzと5GHzを自動で切り分けるバンドステアリング機能があります。最適な設定に機械側で割り振ってくれる機能ですが、便利なようで不便です。
基本的に家庭内なら、電波が強く家電製品に影響を受けない5GHzで十分。バンドステアリングを利用することでWi-Fi6の恩恵を受けられない方がデメリットが大きいです。
補足
バンドステアリング機能は設定からOFFにすることが可能です。個人的には、5GHzにしておく方が良いと考えます。
一戸建ては機種によって届かないものも
実際にテストしてみましたが、iPhone11 Proが使えない部屋があったこと、やや低下率が大きいことから、一戸建てのカバー範囲は微妙だと思いました。もし使うなら、やはりメッシュWi-Fiの方が使い勝手が良い気がします。
USB出力はなし
WRC-X3000GSにはUSB出力する機能はありません。NASを簡易的に作りたい人にとってはRT-92UのようなUSB接続可能なモデルを選ぶと良いでしょう。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。速度測定結果も募集しています。
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回線はdocomo光 Ip-V6pプラス(パススルー)
本体は木造3階建の3階に設置。
以前は同社のWRC-2533GSTを利用してましたが、1階の一番遠い角が死角でした。
とりあえず、建屋内がカバーできると期待しWRC-X3000GSを購入。
10G対応と謳っているのに、付属のLANケーブルがCAT.5Eなのが良くわからないが簡単な操作でルーターの設定も終わり、いざ実用。
ところが有線回線速度がそれ程上がらない。 5Gはすぐに途切れ、電波も2533の方がカバーできる。
本体の熱がすごくプラスチックの臭いがするほど。
なんとなく不安を感じてルーターを2533の戻し、LANケーブルをCAT.7を導入。
カバーできない1階にIO-DATAのWi-Fi中継器を設置。 通信速度上は現状で最高値。
今後WRC-X3000GSをどうするかは未定。
ダウンロード速度が他のルータの10分の1。
急に設定したSSIDのパスワードを求められるようになった。
そのまま再設定を行えたら使えた。
有線LANで2台PCを接続しているときに、1台のPCで巨大なファイルをダウンロードすると、もう一台のPCでネットが使えなくなる。使い物にならない。
戸建てでフルにカバーするように使うのは厳しめ。また、長距離でiPhoneだけ電波未達になる問題もあった。ワンルーム利用ならデザインのすっきりさも込めて最高レベルの満足度だと思います。戸建て利用だったので☆は3評価。
WRC-X3000GSがおすすめな人
ワンルーム利用者
個人的に一番おすすめしたいのはワンルーム利用者でWi-Fi6を使いたい人です。個人的な考えですが、ワンルームだからルーター性能が低くてもいい、みたいな考え方には賛同できません。
基本的に利用者の使用環境に合わせて選ぶべきなので、より快適にネットを使いたいなら高性能モデルを選ぶべき。
その中でデザイン性に優れたこのWRX-3000GSはワンルームのような目につく場所でも置けるすっきりとしたデザインのアイテムです。価格も高性能な割に控えめなことも好感が持てます。
有線LANで接続したい人
Wi-Fiだけでなくパソコンを優先LANで接続したい人は多いように感じます。ゲーマーや動画配信者はそれにあたるでしょう。
Wi-Fiがいくら優れていても、有線LANの安定感には現状勝てない気がしています。Gigaビットスループットに対応している有線を持つWRX-3000ACはメリットが大きな機種と言えるでしょう。
角無しデザインが良い人
このWi-Fiルーターのメリットはやはり角無しデザインです。アンテナがあるとWi-Fiルーター感が強くなるので、すっきりとしたデザインを求める人にはぴったりです。
WRC-X3000GSをおすすめできない人
メイン環境が散らばっている人
メイン環境が様々で散らばっている人には、距離的な制約、無線の弱さからあまりおすすめできません。ネットサーフィン、YouTubeくらいなら大丈夫ですが、ゲームを複数の部屋で壁をまたいでするなら他モデルを買いましょう。
WRC-X3000GSの実機レビューまとめ
すっきりしたWi-Fi6
結論
Wi-Fi6搭載のアンテナ無しすっきりモデルです。一戸建てでも使えるように書いていますが、距離によっては注意が必要です。
ワンルームで強力な無線環境を作りたい人にはぜひおすすめしたい一台です。