Archer A10 Proレビューの概要(ポイント)
IPoE対応で格安Wi-Fiルーター
Archer A10 Proはより高速通信可能なIPoEに対応したWi-Fiルーターでありながら、定価で1万円を切る低コストな家庭用の無線LANです。
低価格帯でありながらUSB3.0端子も搭載しているため簡易的なNASとして使える機能も備えていて、低価格帯とは思えないほど多機能なモデルです。
ただしIPoEに対応していることもあり設定は他の機種と比べると一般向けではないため注意して下さい。
簡易スペック表
発売日 | 2020年8月27日 |
受信最大速度 | 1733 Mbps |
本検証での 最大受信速度 | 538 Mbps |
メーカー | TP-Link |
推奨環境 | 3階建て、4LDK |
※公式スペック表はこちら。
Archer A10 Pro 実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。購入検討している人はキャンペーンを必ずお読みください。
※本製品はTP-Link社より提供を受けてレビューしています。なお記事内容に関する指示は一切受けておりません。
Archer A10 Proの特徴
ここではArcher A10 Proの一般的な特徴について書いています。もし、主観的な使用感を知りたい場合はメリット・デメリットの項目からご覧ください。
より高速なIPoEに対応
Archer A10 Proは1万円以下の価格帯でありながら、より高速なIPoE通信(IPv6など)に対応しています。プロバイダ側でこれらの通信規格に対応しているなら、ルーターを新しくするだけで通信速度が高速化する可能性があります。
USB接続でNAS化が可能
低価格帯ルーターとしては珍しくUSB3.0の端子を備えており、それによって簡易的にNAS化することが可能です。USBの箇所については、外観の項目を参考にしてください。
Amazon Alexaに対応
Archer A10 ProはAlexaスキルに対応しており、音声によってゲストモードなどの起動が可能になります(著者はAlexaを使っていないため、この点については未評価です)。
Archer A10 Proのスペック
今回レビューしたArcher A10 Proのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(抜粋)
発売日 | 2020年8月27日 |
メーカー | TP-Link |
最大受信速度 | 1733 Mbps(5GHz) 800 Mbps(2.4GHz) |
最大送信速度 | 記載なし |
メッシュWi-Fi | × |
ビームフォーミング | 〇 |
質量 | 550 g |
サイズ | 216×164×36.8mm |
ディスプレイ | なし |
対応規格 | a/b/g/n/ac |
最大接続台数 | 48 台 |
アンテナ | 4本(外部3本、内部1本) |
アンテナ仕様 | 公式記載なし |
LANポート数 | 4本 |
USBポート数 | 1本 |
IPV6プラス | 対応 |
推奨環境 | 3階建て、4LDK |
※さらに詳細の仕様書は公式サイトをご覧ください。
スペックの解説
Wi-Fiルーターとしてのスペック(最大通信速度)は中の上程度となっています。ただ、これだけのスペックを持っていると通常は当たり前のように1万円を超えますが、このモデルは定価で8,000円台となっていることが大きな魅力と言えます。ただし、残念ながらWi-Fi6には非対応となっています。
Archer A10 Proの外観
本体はツヤのある筐体となっています。
アンテナは3本出ています。
背面インターフェイスです。入力のイーサネットコネクタに出力用のイーサネットコネクタが4本あります。さらに電源スイッチにACアダプタを備えています。
横側にはUSB3.0端子を備えています。またWPSボタンとWi-Fiのオンオフスイッチがあります。
裏面です。メッシュ構造になっています。またフックがあるため吊り下げが簡単にできます。
付属のLANケーブルです。モデムと近くに置くことを前提にしているためか小さめです。また太さがあり、取り回しが面倒なタイプです。CAT. 5Eとなっています。
付属品一覧です。コンセント幅が広いタイプなので、タコ足配線利用時は注意して下さい。
Archer A10 Proの通信スピードテスト
Archer A10 Proの通信テストを行いました。環境はベストエフォート1Gbpsで、IPv6プラスの対応環境(一戸建て)です。
iPhoneでのテスト
iPhone12 Proのテスト結果です。全ての部屋に置いて100Mbpsを超える速度が観測されており快適な通信ができています。PIGN値も良かったですが、距離が長くなるとジッターが長くなる傾向が見られました。
以下全てクリックで拡大して見ることができます。
Androidでのテスト
Android(P30)のテスト結果です。iPhoneほどではなかったものの安定した通信速度が見られています。最長距離にある部屋でも50Mbpsを超えており、動画鑑賞など全く苦になることはありません。
以下全てクリックで拡大して見ることができます。
MacBookでのテスト
MacBook Pro(M1)のテスト結果です。とても快適な結果が得られています。今回測定における最高速度である538MbpsはMacBookが出しています。また驚くことに最長距離にあたる部屋でも300Mbpsを超える速度を観測することができました。
以下全てクリックで拡大して見ることができます。
Archer A10 Proのメリット・長所
格安で高速回線が組めること
Archer A10 Proのメリットはやはり1万円以下という価格でIPoEに対応した高速回線が組めることにあります。1万円以下は格安モデルが多く、「とりあえず使えればOK」というモデルが多い中で専用規格に対応しているのは大きなメリットです。
外部インターフェースが多い
Archer A10 Proはギガビットイーサネットコネクタ、USB端子を備えています。人によってはモデムがケーブルテレビを兼ね、テレビ台付近にある人もいると思いますが、その場合有線環境を作ることで快適なゲーム環境作りができます。またUSBを用いることで簡易的ながら、NAS環境が作れるメリットも持ち合わせています。
Archer A10 Proのデメリット・欠点
Tetherアプリの設定が意外と難しい
実際に設定して、Tetherアプリの設定が難しいと感じました。Archer A10 Proの場合、IPoEに対応していることで自動検出ではなく自分で設定する必要があります。特に、以下のプロバイダ設定の部分は初心者にはかなり難しいと言えます。
TP-Linkの製品にはアプリは2種類あり、Tetherを用いるものとメッシュWi-FIのDeco用アプリを用いるものがありますが、高くなるものの初心者なら圧倒的に後者がおすすめです。
高度なセキュリティへの設定変更はブラウザからの操作が必要
Archer A10 Proは標準状態ではWPA2のセキュリティ状態になっています。この状態ではiPhoneで接続している時に「安全性の低いネットワーク」として認識されます。より高度なセキュリティである「WPA3 Personal」への変更も可能ですが、ブラウザからの設定が必要になります。
Decoシリーズ用のアプリであれば、セキュリティ設定もアプリからできることを知っているだけに、Tetherアプリで設定できずブラウザのみとなっているのは残念ですし、同時に初心者向きではないと感じました。
IPoEを優先するよりWi-Fi6を優先する方が良い場合も
ネットを高速化する技術にはいくつか種類がありますが、昨今のトレンドはIPoEとWi-Fi6があります。Archer A10 ProはIPoEには対応していますが、Wi-Fi6には対応していません。筆者の環境でテストしたところ、iPoE非対応ルーターでWi-Fi6のDeco X20に接続するほうがより高速化して使うことができました。
上のデメリットでも書いた通り、IPoEならではの設定の面倒さとDeco X20のWi-Fi6のメリットを考えれば、価格は高くてもX20を選びたくなります。Deco X20については以下でレビューしているのでご覧ください。
-
TP-Link Deco X20(AX1800)の実機レビュー
Deco X20レビューの概要(ポイント) Deco X20 実機レビュー目次 実際に使った感想はメリット・デメリットからお読みください。iPhone、Android、MacBookを用 ...
続きを見る
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。速度測定結果も募集しています。
Submit your review | |
低価格ながらIPoEに対応した無線LANルーター。回線が対応してればかなり速いスピードが出るため、低価格で回線速度にこだわりたい人はおすすめ。ただ、設定が若干ややこしいので、初心者ならDecoシリーズの方が良いと感じました。
Archer A10 Proがおすすめな人
IPoE接続環境がある人
IPoEの接続環境がある人は低価格で買えるArcher A10 Proはおすすめです。1万円台で快適な接続環境が作れてしまうことは大きなメリットと言えます。さらにルーターからの有線接続が多いならより快適に使える環境作りができます。
IPoE機器としてブリッジさせて使う人
少し玄人向けになりますが、IPoE非対応でWi-Fi6に対応しているルーターを持っている人も多いと思います。そういった人の場合、このルーターをブリッジ用として使い2台接続することでより強化することが可能です。
Archer A10 Proをおすすめできない人
ネット初心者や苦手な人
デメリットでも書いた通り、Archer A10 Proのアプリの設定はIPoEならではの設定の手間があります。差し込めば無線LAN環境が作れる機種も多いので、設定が複雑な機種を選ぶ必要はありません。もし設定を手間に感じるなら同メーカーのDeco X20がおすすめです。驚くほど設定が簡単なので初心者向きのルーターになっています。
Archer A10 Proの実機レビューまとめ