IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのレビュー概要
低価格でパワフルなノートPC
第4世代Ryzenプロセッサを搭載した超ハイパフォーマンスPCでありながら、10万円以下から買える驚異的なコスパのパソコン。処理能力が優れるだけでなく、16インチで画面アスペクト比が16:10で縦長ディスプレイとなっておりワード、エクセルなどの作業に向いていたり、色域カバー率が高いためクリエイティブ用途でも使える一台です。
なお今回はゲーミングエディションをレビューしていますが、特徴やメリットデメリットでは通常モデルについても触れつつ比較しています。
こんなタイプにマッチ
- コスパの高いPCが欲しい人
- 10万円以下でsRGB100%近いPCが欲しい人
簡易スペック表
発売日 | 2021年5月11日 |
CPU | Ryzen7 5800H Ryzen5 5600H |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 16インチ |
GPU | GeForce GTX1650 AMD Radeonグラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 選択可 |
重量 | 1975g |
Cinebench R20 | 4593pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの特徴
ここではIdeaPad Slim 560 Pro Gamingの一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Ryzen5000シリーズ搭載でパワフル
IdeaPad slim 560シリーズはRyzen5000シリーズのGen3モデルを搭載したノートパソコンです。Gen3アーキテクチャになったことで更にパフォーマンスが向上しており、今回のベンチマークではCnebench R20でマルチで4000ptsを超える結果とシングルでも550ptsを超える結果が得られています。
ゲーミングエディションはGTX1650搭載
今回のレビュー品もそうですが、本モデルにはグラフィックボード搭載モデルと非搭載モデルの2種類があります。グラフィックボードはGeForce GTX1650を選ぶことができます。
作業に便利な縦長ディスプレイ
IdeaPad Slim 560はディスプレイに特徴があり、2560×1600の高解像度で縦長アスペクト比が採用されています。ディスプレイサイズは16インチとなっており、ノートパソコンとしては中途半端なサイズです。しかしながら、この縦長ディスプレイは書類作業をする時なと非常に便利です。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの価格とコストパフォーマンス
本モデルはグラフィックボード搭載モデルと非搭載モデルがありますが、非搭載モデルのコストパフォーマンスが異常に高くなっています。縦長アスペクト比を採用しているパソコンのほとんどが高価格帯になること、そしてプロセッサのパフォーマンスから考えれば本モデルを選ばない選択肢がないほどです。グラフィックボード搭載モデルもコストパフォーマンスはトップクラスですが、TUF Gamingなど他社製品も同ランクになるものがいくつか存在します。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのスペック
今回レビューしたIdeaPad Slim 560 Pro Gamingのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年5月11日 | |
製品名 | IdeaPad Slim 560 Pro Gaming | |
型式 | 82L50021JP | |
サイズ | 251×356×16.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 1975g |
電源アダプタ | 480g | |
CPU | Ryzen7 5800H | |
GPU | GeForce GTX1650 | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 16インチ |
解像度 | 2560×1600 | |
アスペクト比 | 16:10 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 無し |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 4セル |
公称値 | 11時間時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は4593pts、シングルコア555ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Cinebenchの測定結果は非常に高く、デスクトップパソコンと比較しても劣らないほどの実力を持っています。このパソコンでプロセッサに負荷がかかる作業で困ることはほぼないでしょう。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は11612ptssという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。Readは約3400MB/sを超えており、非常に高性能。この価格帯から考えれば非常にパフォーマンスが良いと言えます。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 9529 | 非常に快適 |
高品質 | 12323 | 非常に快適 |
標準品質 | 14044 | 非常に快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 3489 | 普通 |
高品質 | 4911 | やや快適 |
軽量品質 | 6431 | 快適 |
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | ファン音はほぼ聞こえない |
CPUテスト時 | ファン音がしっかりと回る |
GPUテスト時 | ファン音がしっかりと回る |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIR One Proのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。このパソコンの凄いところはパームレスト部分含めほとんど温度が上がらないことです。タイピングが多い人でも快適に使えるでしょう。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。他のIdeaPadと異なり、このモデルは2560×1600と高解像度なこともあり色域カバー率が高くなっています。グラフィックボード搭載モデルも選べるため、クリエイティブ用途で使いやすいモデルと言えます。
測定結果は以下の通りです。
モード | 色域カバー率 | 色域カバー比 |
sRGB | 96.5% | 100.5% |
Adobe RGB | 74.1% | 74.5% |
色域測定データです。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 646.18 | 377.23 | 7 |
ポイント② | 306.3 | 263.49 | 6 |
ポイント③ | 544.24 | 390.88 | 8 |
ポイント④ | 478.94 | 336.96 | 7 |
ポイント⑤ | 430.14 | 381.64 | 10 |
ポイント⑥ | 155.25 | 187.29 | 6 |
通信スピードテストの評価
どのエリアでも十分な通信速度、PING数値となっており安心して使うことができます。
IdeaPad Slim 560 Pro GamingのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。30Wでは通常充電でき、45,61Wでは充電不可、そして100Wでは充電できるという不思議な結果となりました。ただし、本来の充電器は135W(グラフィックボード非搭載モデルは95W)なので、本来の実力をフルに発揮するならどれも役不足です。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | △(低速) | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | △(低速) | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの外観
天板はプラスチック素材のシルバーでLenovoのロゴが控えめに配置されています。
背面にはセンタースリットの通気口が設けられています。
開いた様子です。IdeaPadはいわゆる廉価グレードにあたりますが、ベゼル幅が狭く安っぽさはありません。
IdeaPadにしては珍しく180°まで開くタイプではありません。とはいえ最大角が165°となっており一般的なクラムシェルモデルと比較するとかなり開きます。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボード全体です。テンキーまで搭載しています。またキーボード上部にはスピーカーが配置されています。一部エンターキー、スペースキー、シフトキーが横と接合したタイプですが、利用ではあまり気にならないでしょう。入力のカチカチ音はほぼなく、剛性感は普通です。ストロークが浅めなので気になる人はいるかもしれません。
キーピッチは18.4mmとなりました。
タッチパッド幅を計測したところ、120mmとなりました。タッチパッドは広め、かつサラサラ感があり使いやすいです。クリック時はカチカチと音が鳴るタイプです。
本体右側にはUSB Type-A×2と4in1メディアリーダーがあります。
本体左側には電源コネクタ、HDMI、USB Type-C、ヘッドフォンジャックが備わっています。
背面には何もありません。
スピーカーはキーボード上とパームレスト裏側にあります。全体的に音が軽く、低音があまり出ていない印象を受けました。音楽を楽しむなら別途スピーカーを用意した方が良いでしょう。
本体の重量を測定したところ、1975gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、2455gとなりました。充電器単体では480gとなります。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのメリット・魅力
低価格でハイパフォーマンス
IdeaPad Slim 560の最大の特徴はなんといっても低価格で高性能であること。Gen3のRyzenプロセッサのパフォーマンスは異常といっても良いほどで、向こう5年間は安心して使えるくらいの性能を持っています。
グラフィックボード非搭載モデルも魅力的
特徴でも書いた通り、本モデルはグラフィックボード非搭載モデルがあります。こちらも同じGen3のRyzenプロセッサを搭載していて、しかも低価格。ワード、エクセル、ネットサーフィンをはじめ、グラフィックボードをあまり使わないソフトウェアが中心なら、価格が安い事もあり非搭載モデルを選ぶメリットが生まれます。
縦長ディスプレイで作業効率が高い
2560×1600で縦長のディスプレイはエクセル、ワードなどの書類作業を行うときに強い味方になってくれるでしょう。16インチで大きなディスプレイを搭載しており、縦長アスペクト比をより活かせる点もメリットです。
USB-PDにも対応
USB-PDのテストでも検証した通り、PD充電にも対応しています。サイズ感が大きく、2kg近い質量があるため持ち運びを積極的に行うことはほぼないかもしれませんがいざという時のためにPD充電に対応していることは大きなメリットです。
パソコンが熱くならない
ベンチマークテスト時の温度計測の結果から、PC全体が熱くなりにくいことがわかりました。パームレスト部分に熱がほぼ来ないため負荷がかかる作業中でも快適にパソコンを扱うことができます。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのデメリット・欠点
スピーカー音が心もとない
スピーカーを検証したところ、音が若干心許なく、特に低音の迫力はほぼない印象を受けました。動画鑑賞等をするのであれば、別途スピーカーを用意する方が良いでしょう。
PC全体の安っぽさがある
IdeaPad全体に言えることですが、価格の安さが筐体に現れているのも事実です。PCに高級感を求めるなら、別モデルを選ぶ方が無難です。
ゲーミングエディションだが高リフレッシュレート非対応
本モデルはゲーミングを名乗っていますが、残念ながら高リフレッシュレートには非対応となっています。グラフィックボードを搭載したモデルで165Hzリフレッシュレートモニターを搭載した同価格帯のモデルがあるため、FPSゲームなどリフレッシュレーどが重要視されるゲームをするならそちらを選択する方が良いでしょう。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。
Submit your review | |
低価格ながら高いパフォーマンスのノートパソコン。マルチコア、シングルコアどちらも驚異的なスペックなので一般的な利用で不満に思うことはまずないでしょう。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 一見普通のパソコンでゲーミングモデルには見えない
- 持ち運びは厳しい
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingがおすすめな人
自宅やオフィスでの据え置き作業用
据え置き機として作業するためのノートパソコンとしてはこれほどぴったりなパソコンはありません。高いパフォーマンス、縦長ディスプレイ、テンキー搭載と作業効率を向上するための要素が詰まったノートパソコンと言えます。
安さとパフォーマンスを求めるユーザー
IdeaPad Slim 560はRyzen Gen3を搭載していることで安さとパフォーマンスを両立したモデルです。マルチコア4000ptsごえ、かつシングルコア500pts超えで9万円台から手に入るのは驚異的と言わざるを得ません。
従業員用PCとして
低価格で高パフォーマンス、しかもテンキー搭載で16インチとなっており従業員用のノートパソコンとしてはこれ以上ないほどちょうど良いパソコンと言えます。有線イーサネットコネクタがない点が従業員用PCとしては気になるポイントですが、そこのみクリアできるならベストな選択肢になりうるでしょう。もし仮に有線で接続したい場合、USB Type-Aタイプなら1000円台、USB Type-Cタイプなら2000円台で購入可能なため出費が少なくて済みます。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingがおすすめではないタイプ
FPSゲームユーザー
グラフィックボード搭載、非搭載にかかわらずどちらのモデルも高リフレッシュレートには非対応です。FPSゲームユーザーにはお勧めできないので、他のモデルを選ぶことをお勧めします。10万円前後で高リフレッシュレートかつRyzenとdGPU搭載モデルの用件を満たすなら、TUF Gamingがおすすめです。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingのカスタマイズ・モデルの選び方
本モデルはグラフィックボード有無で選べますが、個人的におすすめはグラフィックボード無しタイプです。理由はRyzen Gen3が搭載されていること、ディスプレイが上位モデルと同じものが採用されている点です。これで9万円台で買えるのはお値打ちといっても過言ではありません。
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingの実機レビューまとめ
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingを安く買う方法
IdeaPad Slim 560 Pro Gamingに限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
-
【2024年11月】レノボ公式のネット限定Eクーポンとキャンペーン・セール・学割で最大限安く買う方法・コツ
lenovo(レノボ)のパソコンをできるだけ安く買う方法として、ネット限定の「Eクーポン」、「キャンペーン(セール)」、「学生専用ストア(学割)」があります。 また、あまり知られていませんがレノボの購 ...
続きを見る