Archer AX73のレビュー概要
1万円台で非常に魅力的なモデル
Archer AX73は2021年2月に登場したWi-Fiルーターですが、この時点で全てのルーターの決定版と言えるほど万能性が高いモデル。高い最大通信速度、そしてIPv6プラスにも準拠しており、昨今のトレンドをガッチリ抑えた一台になっています。
デメリットで書いているようにワンルームなどの環境であれば廉価モデルでも良いですが、そういったことでなければ将来の投資も含めてこのモデルを迷わずに買っておくべきWi-Fiルーターと言えるでしょう。
簡易スペック表
発売日 | 2021年3月10日 |
理論受信最大速度 | 4804Mbps(5GHz) 574Mbbps(2.4GHz) |
本検証での最大速度 | 652Mbps |
メーカー | TP-Link |
推奨環境 | 戸建て3階建て、4LDK |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
Archer AX73目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーよりArcher AX73を提供頂き、テストを行っています。ただし、内容に関する指示は一切受けておりません。
Archer AX73の特徴
ここではArcher AX73の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
Wi-Fi6とIPv6プラスの対応機種
Archer AX73は高速通信規格Wi-Fi6と混雑を避けて通信ができるIPv6プラスに対応しています。両方に対応している機種は珍しい上に本機種ではさらに高い最高通信速度を誇ります。
豊富な有線ポート
Archer AX73には背面のLANポートが4つ備えられています。ゲームに有線で繋いだり、LAN経由でNASを構成したり使い道が広がるインターフェイスになっています。
5000Mbps超えにしてはコンパクト
5GHz、2.4GHz帯合わせて5000Mbpsを超える構成になっていますが、意外にもコンパクト。アンテナも小さくはありませんが黒で根本から先端までが均一な長さになっているためシンプルでコンパクトな作りになっています。
Archer AX73の価格とコストパフォーマンス
Archer AX73は税込1万円台で買えるWi-Fiルーターです。IPv6プラスに対応していることや、合計5000Mbpsを超える通信速度になっていることを考えれば、他メーカーも含め現在発売されているWi-Fiルーターの中でもコストパフォーマンスは非常に高いです。
コスト評価について
評価は2021年3月27日時点におけるものです。現在の価格は各サイトで必ずご確認ください。
Archer AX73のマシンスペック
今回レビューしたArcher AX73のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日 | 2021年3月10日 | |
製品名 | Archer AX73 | |
型式 | ー | |
サイズ | 147.2×272.5×49.2mm | |
質量 | 650g | |
CPU | 1.5GHz トリプルコアCPU | |
最大受信速度 | 2.4GHz | 574Mbps |
5GHz(1本目) | 4804Mbps | |
5GHz(2本目) | Mbps | |
最大接続台数 | 80台 | |
アンテナ本数 | 6本 | |
ストリーム数 | 6本 | |
LANポート数 | 4個 | |
USBポート数 | 1個 | |
ビームフォーミング | 対応 | |
メッシュWi-Fi | 対応 | |
Wi-Fi6 | 対応 | |
IPv6プラス(IPoE) | 対応 | |
推奨環境 | 戸建て3階、4LDK |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
スペックの解説
Archer AX73は1万円台で買えるWi-Fiルーターとは思えないほど機能が充実しています。5GHz帯4000Mbps超えでIPv6プラスに対応していてこの値段は異常値とも言える程魅力的。ハイエンドルーターと比較するとトライバンドではないため、ゲーム性能などを追求する場合は別モデルの方が帯域が3つあるモデルの方が良い可能性はありますが、そういった人は有線接続が視野に入るためあまり気にならないでしょう。
後述しますが、ベンチマークの結果からPINGが良い結果が得られているため、接続台数が少ない環境でゲームをする人に向いています。
Archer AX73の外観
本体は角ばったデザインになっています。アンテナは本体から6本でています。天板は光沢部分と肉抜きされたデザインになっています。
背面には壁掛け穴とそれぞれのパスワードが掲載されています。
背面には電源コネクタ、電源ボタン、WAN、LANポート4つが有ります。1Gbpsポートになっています。
本体左側にUSB-A 3.0が搭載されています。
ACアダプタは黒色でコンパクトになっています。コンセント一体型なのでタコ足配線を用いる時は注意してください。
Archer AX73の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。それぞれiPhone端末(iPhone 12 Pro)、Android端末(P30)、MacBook Pro(M1)を用いてテストを行いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
測定条件
測定時はスマートコネクト機能を利用し、2.4GHz及び5GHz両方を自動選択できる状態で行っています。なお、設定からは5GHz単独で選択することも可能ですが、今回は実施していません。
iPhone端末での検証結果
iPhoneでスピードテストを行った結果です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 477 | 463 | 6 | 0.63 |
ポイント② | 384 | 435 | 6 | 0.24 |
ポイント③ | 373 | 485 | 6 | 1.1 |
ポイント④ | 393 | 391 | 6 | 0.87 |
ポイント⑤ | 439 | 371 | 6 | 0.81 |
ポイント⑥ | 62.5 | 103 | 6 | 31 |
Androidでの検証結果
Androidでスピードテストを行った結果です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 582 | 573 | 6 | 1 |
ポイント② | 520 | 405 | 6 | 0 |
ポイント③ | 418 | 387 | 6 | 1 |
ポイント④ | 454 | 381 | 6 | 1 |
ポイント⑤ | 345 | 337 | 6 | 1 |
ポイント⑥ | 96.3 | 26.6 | 7 | 3 |
MACでの検証結果
MACでスピードテストを行った結果です。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING | ジッター |
単位 | Mbps | Mbps | ms | ms |
ルーター前 | 620 | 557 | 7 | 12 |
ポイント② | 502 | 415 | 7 | 1.8 |
ポイント③ | 652 | 546 | 8 | 1.1 |
ポイント④ | 565 | 419 | 7 | 4.5 |
ポイント⑤ | 423 | 331 | 8 | 1.1 |
ポイント⑥ | 30.1 | 25.7 | 7 | 1.5 |
通信スピードテストの評価
Archer AX73は期待通り、非常に高速な通信速度が得られており、最大でMacbook Pro M1を用いた際に652Mbpsという驚異的な数値をたたき出しています。1Gbpsベストエフォートの通信環境でこの数値は素晴らしい結果です。またPINGの数値が総じて10msを切っており、Wi-Fiルーターとしては最高クラスになっています。一般ゲーマーであればこのレスポンスは魅力的な数値と言えます。
ただし、残念なことに最長距離にあたるポイント⑥においてはダウンロード、アップロードの数値がガクッと落ちる結果となっています。ルーターの近く(一部屋挟んだ程度)で利用するのが理想的な端末と言えそうです。
Archer AX73のメリット・魅力
低価格帯でIPv6プラスに対応
Archer AX73は一部のインターネットが対応するIPv6プラスに対応しています。IPv6を提供しているインターネットサービスでは、専用のモデムを貸し出すところもありますが、Archer AX73を用いれば貸し出しモデムを使わずに一台でWi-Fi環境までを構築することができます。
超高速な通信規格
TP-LinkにはIPv6に対応しているルーターとしてArcher A10 Proがありますが、これと比較して無線能力が強化されさらに高速化が図られています。速度が強化されているだけでなく、結果的に範囲が広くなっていることも大きなメリットでしょう。
本体がコンパクト
5000Mbps超えのWi-Fiルーターは見た目が仰々しくなるパターンが多いですが、このArcher AX73はそういったことはなく、アンテナは大型ですが本体は黒一色で角ばったシンプルな形になっています。
壁掛けも可能
Archer AX73は背面に穴が空いており、壁掛けすることができます。本体サイズはアンテナまで含めると大きいですが、意外と薄いためテレビの後ろなどのスペースを利用して隠すことが可能です。
USB-コネクタがある
Archer AX73にはUSBコネクタがあるため、簡易NASを構築することが可能です。
Archer AX73のデメリット・欠点
長距離で数値が落ちる結果に
ベンチマークの結果からも分かるように長距離テストでは速度がガクッと落ちる結果となっています。使う部屋が分散していたり、距離が離れている場合はメッシュWi-Fi環境を構築する方が良いでしょう。Archer AX73自体はメッシュWi-Fiを構成することができるため、合わせて利用すると良いでしょう。
USBコネクタのみ側面設置が必要
Wi-Fiルーターは一方向にインターフェイスが集中することが普通ですが、Archer AX73ではUSBコネクタのみ側面に配置されています。NAS構築する場合など側面にUSBを設置する場合、長さがあるものをつかうと飛び出してしまうので注意が必要です。
10Gbpsの光回線契約ユーザー
Archer AX73のWANは10Gbpsに対応せず、1Gbpsとなっています。10Gbpsのネット回線を契約している場合は全ての能力が出しきれないため、注意が必要です。
みんなの口コミ
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IPv6プラス、Wi-Fi6に対応し、税込1万円台で買える非常に魅力的なWi-Fiルーター。よっぽど広い家でなければ、これを買っておけばOKと言えるほどとてもバランスの取れた一台です。
Archer AX73のおすすめな人
ほとんど全ての人におすすめ
Archer AX73はWi-Fi6に対応、さらにIPv6プラスにも対応している現在の規格としては弱点のないモデルです。またUSBコネクタにも対応しているため、簡易的なNASも作れることからまさに弱点のないモデルと言えるでしょう。
IPv6プラスユーザー
インターネットの規格であるIPv6プラスは対応しているだけで大幅に通信回線環境を改善できるネット回線。一方で、対応しているWi-Fiルーターを使う必要がありますが、本ルーターはその面でも抜かりのないモデルです。
低価格で高性能なコスパを求める人
このArcher AX73はこれだけの性能を持ちながら、価格は定価で税込一万円台と驚異的な値段帯になっています。これだけで他のルーターが選択肢から消えるほど、コスパで有利な一台になっています。
Archer AX73のおすすめではないタイプ
ワンルームや1LDKに住む人
Archer AX73は高機能、高コスパであるので万人におすすめできますが、ワンルームや1LDKの場合はオーバースペックになってしまいます。その場合はArcher A10 Proを選択するようにして下さい。ただ、最高速度重視であったり、今後引越しの可能性がある人はこのモデルでも良いでしょう。
4LDK以上の人は考慮が必要
Archer AX73は優れたルーターですが、長距離で電波が落ちてしまう傾向があります。メッシュWi-Fiを組むことも可能ですが、Archerが対応するOneMeshシリーズは残念ながら中継機の性能が高くありません。もし頻度高く使う場所がルーター直下から遠い場合はDecoシリーズを検討することをおすすめします。以下でレビューしているため参考にしてください。
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Archer AX73の実機レビューまとめ
Archer AX73のキャンペーン・安く買う方法
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