後継モデルについて
本機種の新しいモデルも評価を行っています。後継機種の実機レビューも合わせてご覧ください。
VAIO SX14(2021年モデル)のレビュー概要
着実に進化した14インチVAIO
VAIO SX14は2021年モデルで999gの軽量性はそのままに、第11世代のintel Coreプロセッサを搭載してさらに強力なパフォーマンスを誇るノートパソコンに進化。
今回のモデルからD-Subの廃止と電源をUSB-PDに統一することで、よりスッキリとしたデザインへ昇華されたモデルとなっています。
こんなタイプにマッチ
- 一台で全てをこなしたい人
- ペン入力をするデザイナー
- 動画をよく見る人
簡易スペック表
発売日 | 2021年10月22日 |
CPU | Core i7-1195G7 Core i5-1155G7 Core i3-115G4 Celeron 6305 |
RAM | 8~32GB |
ストレージ | 128GB~2TB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | Iris Xeグラフィックス UHDグラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 選択可 |
重量 | 1055g |
Cinebench R20 | 2571pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
VAIO SX14(2021年モデル)の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
VAIO SX14(2021年モデル)の特徴
ここではVAIO SX14(2021年モデル)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
正統進化の軽量VAIO
VAIO SX14は軽量14インチノートパソコンとして正統進化を続けるモデルです。筆者も過去モデルを所有していましたが、約1kgの軽さでどこにでも持ち出しやすいモバイルPCとなっています。また細かなところまでこだわっている点もVAIOらしさを感じます。
豊富なインターフェイス
他社メーカーにも軽量ノートパソコンはいくつかありますが、SX14の最大の特徴は豊富なインターフェイスにあります。昨今のノートパソコンは軽量、ミニマムになりつつあるためUSB Type-Cに統合される傾向がある一方、VAIO SX14ではフルサイズイーサネットコネクタやHDMI端子まで搭載してビジネスシーンで活躍できるモデルになっています。
コネクタがコンパクトに
過去モデルと異なり、電源コネクタがコンパクトになっています。持ち出しの際や、新幹線で使う時にも便利です。
SIMフリーモデルも存在
これまでのモデル同様にLTE通信に対応したSIMフリーモデルも存在します。ノートパソコンを立ち上げると同時にネットに接続した環境を作れるメリットがあります。
さらに限定モデルも存在
VAIO SX14には限定カラーとして勝色とALL BLACK EDITIONが存在します。本来ある4カラーも美しいですが、これらの限定モデルはさらにカラーリングであったり、隠し刻印キーボードになることでより所有欲の高まるパソコンに仕上がっています。
2021年モデルでは電源ポートとD-Subが廃止
これまで、インターフェイスの多さをウリにしていたVAIO SX14ですが、2021年モデルでD-subが廃止されています。また充電ポートもUSB-PDに統合され、側面がスマートになっています。
VAIO SX14(2021年モデル)の価格とコストパフォーマンス
2022年2月7日時点でVAIO SX14はCeleronモデルが128,099円、Core i7モデルが177,499円から購入できます(他にもCore i3,Core i5モデルが存在)。ここからカスタマイズして価格が上がっていきます。単純なスペックで比較するとかなり割高です。
ただし、VAIO SX14には軽量性やモバイル通信を追加できるメリットがあるため、スペックだけでのコストパフォーマンス比較は難しくなります。
VAIO SX14(2021年モデル)のスペック
今回レビューしたVAIO SX14(2021年モデル)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年10月22日 | |
製品名 | VAIO SX14 | |
型式 | VJS1441 | |
サイズ | 222.9×320.4×13.3~17.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 1055g |
電源アダプタ | 160g | |
CPU | Core i7-1195G7 | |
GPU | iris Xe グラフィクス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
ストレージ | 1st | 512GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 3840×2160 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 公式記載なし | |
リフレッシュレート | 公式記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 有り |
顔認証 | 有り | |
フロントカメラ | 画素数 | 207万画素 |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | v5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 17 |
公称値 | 公式記載なし |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
VAIO SX14(2021年モデル)のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は2571pts、シングルコア622ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。Core i7-1195G7の性能がかなり高く、Cinebench R20でも2500ptsを超える性能をたたき出しています。一般的な用途において、不満を感じることはまずないでしょう。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は6331pts、シングルコア1641ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。第4世代ハイスピードSSDを搭載しているため、昨今のノートパソコンの中でも非常に読み書き性能が高くなっています(同価格帯では3000MB/s程度のため、約2倍の性能)。
ゲームベンチマーク
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | - | - |
高品質 | - | - |
軽量品質 | 3222 | 普通 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。
モード | 評価 |
通常時 | ファンは回らず静か |
CPUテスト時 | 大きなファン音が鳴る |
GPUテスト時 | 大きなファン音が鳴る |
VAIO SX14(2021年モデル)のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。測定はi1 Display Proを用いてデータ測定後、Color ACにてIICプロファイルからカバー率などのデータを作成しています。今回レビューしたのは4Kモデルです。
色域測定の結果、sRGBカバー率96.8%、sRGB74.7%と非常に高い結果が得られており、クリエイターでも使いやすいノートパソコンとなっています。
トーンカーブの評価結果は以下の通りです。
VAIO SX14(2021年モデル)の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 616.83 | 465.06 | 8 |
ポイント② | 541.99 | 405.51 | 6 |
ポイント③ | 636.83 | 443 | 8 |
ポイント④ | 596.05 | 287.94 | 8 |
ポイント⑤ | 434.88 | 283.04 | 7 |
ポイント⑥ | 361.28 | 162.43 | 6 |
通信スピードテストの評価
全エリアで非常に良い結果が得られています。当サイトの検証で最長距離において、300Mbpsを超えるものは少ないので、そういった意味でも高評価です。
VAIO SX14(2021年モデル)のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。VAIO SX14は20Wから全て充電可能でした(低速表示等も見られませんでした)。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | 〇 | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
VAIO SX14(2021年モデル)の外観
今回レビューしたのはファインブラックのモデルです。天板にはシルバーでVAIOのロゴが配置されています。またエッジ部分はシルバーメッキされており、黒をより引き立てるデザインとなっています。
背面は通気口がなく、シンプルなデザインです。モバイル通信対応モデルの場合、ヒンジ部分にSIMスロットが付くことになります。
開いた様子です。左右ベゼルは狭く、上ベゼルは少し大きめです。フロントにはIRカメラも搭載しており、Windows Hello(顔認証)に対応しています。
VAIO SX14は180°まで完全に開くことが可能です。
上部ベゼルです。
下部のベゼル幅は大きいですが、ヒンジがチルトアップする形のため、ベゼルが見えなくなります。
キーボード全体です。クセが無く、打ちやすいキーボード配置です。過去モデルと異なり、キーボードがプラ素材になっているため、剛性感が高まり良い打鍵感が得られます。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.08mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.5mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、110mmとなりました。過去モデルと比較して20mmほど大きくなり、扱いやすくなっています。また、触感は非常に良く、コントローラブルです。
本体右側にはUSB Type-C×2、フルサイズイーサネットコネクタ、HDMI、USB Type-Aポートが搭載されています。
本体左側にはUSb Type-A、ヘッドフォンジャックが搭載されています。2020年モデルではD-subピンがありましたが、電源ポートとともに排除されています。
本体の重量を測定したところ、1055gとなりました。
充電器込みの重量を測定したところ、1215gとなりました。充電器単体では160gとなります。
VAIO SX14(2021年モデル)のメリット・魅力
どこにでも持ち運べる軽量性
VAIO SX14は何と言ってもどこにでも持ち運び出来る約1kgの軽さが魅力。それでいてインターフェイスが充実しているため、外部器機への接続がスマートな点もとても良いと言えます。さらに充電は純正コネクタも含めUSB-PDとなったため、サードパーティの充電器を用いれば荷物をさらに軽くする事も可能です。
第11世代の優れたパフォーマンス
今回のベンチマークテスト結果のように、第11世代でさらにパフォーマンスがアップしています。Cinebench R20で2000pts以上あればオフィスソフトやネットサーフィンなどで不満を感じることはまず無いでしょう。
SIMフリー対応でネット接続性に優れる
VAIO SX14はオプションでSIMフリーモデルを選択することができます。5Gには対応していないものの、PCを開けばネット接続できるのは他のPCにはない大きなアドバンテージと言えるでしょう。
VAIO SX14(2021年モデル)のデメリット・欠点
価格設定は高め
VAIO SX14は2021年度までフラッグシップモデルだったこともあり、スペックから見て価格設定は高めです(2021年にVAIO Zがフラッグシップとなった)。また、2021年は1kg前後の14インチモデルが数多く出たこともあり、軽さに対するコストパフォーマンスが薄れてしまっている印象があります。
ファン音が大きめ
これまでのモデルでも気になるポイントとしてVAIO SX14はファン音が挙げられます。ベンチマークソフトを回すとファンが唸るので気になる人は注意しておきましょう。
みんなの口コミ
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軽量モバイルノートパソコンとして着実に進化を遂げた一台。電源ポートがなくなり、USB-PDになったことでスッキリした点はとても評価できます。またCore i7-1195G7はCinebench R20で2000ptsを超える性能があり、モバイルでありながら十分なパフォーマンスを持つ点も魅力です。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 軽くて持ち運びしやすそう
- 黒の本体にシルバーのメッキがお洒落
VAIO SX14(2021年モデル)がおすすめな人
持ち運びが多い人
約1kgの筐体のため、持ち運びは非常に楽です。USB-PD充電器をサードパーティ製の窒化ガリウム性の物に変えておけばよりコンパクトにできますし、2ポート以上あるものにしておけばスマホと共通化できて便利です。
外でプレゼンする人
VAIO SX14は1kg前後の軽量モバイルノートパソコンの中で、ダントツにインターフェイスが多いことがメリット。外出先でプレゼンすることの多い人はスマートに運用できます。
電車でパソコンを使う人
モバイル通信に対応したデバイスは電車中の利用がとても便利。PCを開けただけで。スムーズにネット接続できるため、ちょっとした移動時間を有効活用することができます。
VAIO SX14(2021年モデル)がおすすめではないタイプ
コストパフォーマンスを優先する人
デメリットで描いた通り、2021年に1kg前後のモバイルノートPCがいくつか販売されたため、軽量コンセプトのメイン価格帯が下がりました。価格を優先したい人は1kg以下のノートパソコンを参考にしてください。
ファン音を気にする人
VAIO SX14はファン音が比較的大きめの機種なので、注意して下さい。
VAIO SX14(2021年モデル)のカスタマイズ・モデルの選び方
VAIO SX14は公式ストアで購入することで、CPU、メモリ、モバイル通信の対応非対応などかなり細かく調整することができます。注意しておくべきポイントはCore i5以上ではグラフィックスの強いIrix Xeになること。筆者としては、Core i5以上のモデルを買うことをおすすめします。
また、SSDはバージョンアップすることでノートパソコンとしてはトップクラスの性能が出せるため、こちらも第四世代への変更をおすすめします。モバイル通信については個人の利用用途にもよりますが、モジュールの追加費用が意外と安いことに加え後から追加できないので、予算が許せば付けておく方が良いでしょう。
VAIO SX14(2021年モデル)の実機レビューまとめ
王道の軽量モバイルノートPC
結論
VAIO SX14は過去モデルから軽量、豊富なインターフェイス、モバイル通信対応とブレずに着実な進化を遂げてきました。2021年モデルもそのコンセプトからは変わりなく、その正統進化をまざまざと見せつけられるモデルになっています。
価格は高めですが、それに見合うだけの性能、デザイン性を併せ持つパソコンなので、外出用にPCを探している人はぜひ候補に入れて欲しい一台です。
VAIO SX14(2021年モデル)を安く買う方法
VAIO SX14(2021年モデル)に限らず、VAIOのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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