Zephyrus G14のレビュー概要
14インチ最高レベルのPC
Zephyrus G14は14インチながらRyzen9の4000番台を搭載した化け物PCです。さらにGPUにRTX 2060 Max-Qを積むことでモンスターパソコンと化しており、CINEBENCHは4500ptsに迫る勢いです。
通常こういったノートパソコンは、電源容量が大きいためUSB-PDに対応しないことの方が多いですが、なんとZephyrus G14はUSB-PDにも対応。
ただし、超ハイスペックなパソコンだけあって熱がかなり発生するので注意しておきたいマシンです。
簡易スペック表
CPU | Ryzen9 4900HS Ryzen7 4800HS Ryzen5 4600HS |
RAM | 8~16GB |
ROM | 512~1TB SSD |
画面 | 14.0インチ |
GPU | RTX 2060 Max-Q GTX 1650 Ti GTX 1650 |
USB-PD | 対応(65W~) |
LTE | 非対応 |
重量(実測) | 1.69 kg |
CINEBENCH R20 | 4459 pts |
※詳細スペックはこちら
※CINEBENCHの計測はRyzen9 4900HS
Zephyrus G14実機レビュー目次
実際に使った感想(主観)はメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。
※本記事はメーカーからお借りしてレビューしています。
Zephyrus G14の特徴
ここではZephyrus G14の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
14インチとしては超高性能
Zephyrus G14はRyzen9 4900HSとRTX 2060 MAX-Qを選択できるモンスターパソコンです。
CINEBENCH R20の値を見ても、普通のデスクトップと比べて倍以上の性能が出ています。しかも、この性能のパソコンを14インチで出してきたことに驚くモデルになっています。
14インチノートにRTXを初めて搭載
今回のZephyrus G14は14インチノートパソコンとして初めてRTXを搭載したノートパソコンになっています。さらにRTXオンにすることでリアルタイムレートレーティング(影や映り込みの表現)ができるようになっています。
コンパクトなゲーミング
以下は同じ14インチのThinkPad X1 Carbonと比較した様子です。
厚みは異なるものの、奥行き、幅はほとんど変わらずコンパクトに持ち運べるサイズ感になっています。実測で重さは1.685kgとなっています。
ROGシリーズとしての専用コンパネを搭載
Zephyrus G14はゲーミングに該当するジャンルのため専用コンパネを持っています。一般的なパソコンと比べてパフォーマンス設定が容易なメリットを持っています。また、ROGとTUF Gamingのユーザーインターフェースで表示を切り替えることも可能です。
ROGがこちら。
TUF GAMINGのUIがこちらです。
AniMe Matrix非搭載モデルがある
本編に入る前にぜひ覚えておいて欲しいのですが、Zephyrus G14には背面のAniMe Matrixが非搭載のモデルがあります。これだけで同クラスであっても最低価格が4万円ほども変わります。コストパフォーマンスを最重要視するならAniMe Matrix無しモデルの価格もASUS公式サイトで必ずチェックしましょう。
Zephyrus G14の価格とコストパフォーマンス
Zephyrus G14はAniMe Matrix搭載モデルが197,800円~(税込)、非搭載モデルが153,800円(税込)となっています(2021年3月25日時点)。コストパフォーマンスの高さは、非常に高いです。同クラスのパソコンと比べるとはっきりとしたライバルは存在しませんが、価格とパフォーマンスから見て最も近い存在がMSI Prestige14です。
価格帯では近い部類に存在しますが、よりパフォーマンスを追い求めるならZephyrus G14が優れており、しかも24万円(AniMe Matrix非搭載モデルなら20万円切り)。価格アップ幅も小さいので対性能比で見た時のコスパは非常に高いと言えます。なおASUS Store限定モデルなら、Ryzen5モデル(GTX1650)があり129,980円(税込)で購入することができます。
価格情報について
価格は全て2021/03/25の執筆時時点の情報です。現在の正式な価格はZephyrus G14の公式ページをチェックして下さい。
Zephyrus G14のスペック
今回レビューしたZephyrus G14のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020/05/27 | |
製品名 | Zephyrus G14 | |
型式 | GA401 4 | |
サイズ | 358×245×18.9 | |
重量(実測) | 本体 | 1670 g |
電源アダプタ | 530 g | |
CPU | Ryzen 4900HS | |
GPU | RTX 2060 Max-Q | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
保存(ROM) | 1st | 1TB SSD |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14.0インチ |
解像度 | 2560×1920 | |
形式 | IPS液晶 | |
生体認証 | 指紋 | 〇(電源ボタン共有) |
Windows Hello | × | |
フロントカメラ | 画素数 | 〇 |
物理シャッター | - | |
リヤカメラ | 画素数 | - |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | 5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | - |
SIMカードサイズ | - | |
光学ドライブ | - |
※詳細仕様はこちら
スペックの解説
Zephyrus G14は、同メーカーでRyzen 4000番台を搭載した初めてのノートパソコンです。このパソコンが何よりも面白いのは、14インチでRyzen9とRTX 2060 Max-Qを搭載してきたこと。本来このクラスのノートパソコンなら15.6インチ、もしくは17.3インチが主流。かなり特異的なスペックを積んだノートパソコンと言えます。
今回のレビュー品では2560×1920ですが、FHDモデルがありこちらの場合はリフレッシュレートが144Hzのモデルも存在します。ゲーミングの場合はこちらの方が良いでしょう。
Zephyrus G14のベンチマーク(CINEBENCH他)
ベンチマーク結果は以下の通りです。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の計測値は通常時でマルチ4363pts、シングル495ptsとなりました。
さらにCINEBENCH R20の計測時はパフォーマンスモードで4449pts、シングル499ptsとなっており性能が向上しています。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。十分に速いですが、最高クラスの性能ではありません。
騒音テスト
テストの結果、かなりうるさい印象を受けました。テスト時は55デジベルを超えており、非常に気になるレベルです。ただし、一般的な利用用途においてはサーっとファンが回っている音が聞こえる程度でした。
また、ファンの音はパフォーマンスによって切り替えることもできます。ただし、サイレント状態でも比較的うるさいので注意してください。
ベンチマーク時の熱について
ヒンジ付近がかなり熱くなります。ハードにゲームをし続けるなら注意したほうが良いでしょう。
Zephyrus G14の通信環境(WI-Fi)のテスト
Zephyrus G14の通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6非対応)でWi-FiにはWi-Fi6非対応のLYNKSIS VELOPを用いています(クリックで拡大します)。
一戸建てで最長距離でも比較的安定した通信速度が得られています。
Zephyrus G14のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-PDによる充電テストを行いました。テストでは18W、30W、61Wの充電器を用いました。どの充電器でもPDでの充電はできますが、低速となります。本機は65W以上で対応していることを明言しているため、低速となっているようです。65W以上のPD充電器を保有していないため、これ以上の検証はできませんでした。
Zephyrus G14の外観
天板です。小さなメッシュパンチが空いた天板になっています。前面ではなく斜め形状にカットされる形で入っています。この穴はミニLEDとなっており、アニメーションを付けることが可能です(参考:公式YouTube)。
続いて背面です。ゲーミングらしくない形でスリットは少なめです。わかりにくいですが、デュアルファンが見えます。
開いた様子です。比較的ナローベゼルでかっこいい外観です。一部キーボードが変形していますが、それ以外はパッと見てもビジネスライクな外観になっています。
本体の開き幅は約130°です。チルトアップすることで排熱に有利な構成になっています。
上部ベゼルです。ベゼル幅は7mmです。
下部のベゼル幅は29mmです。
キーボードは全て独立しています。静穏型で打鍵音はほぼ鳴りません。
タッチパッドのクリック音は比較的大きめです。タッチパッドの幅は105mmです。
本体キーボードの他に音量ボタンの調整、ミュート、ROGボタンがあります。ROGボタンを押すことで専用モードが立ち上がりパフォーマンスを切り替えることができます。
右サイドから見た様子です。ファンとUSB-A2つ、さらにUSB-Cが付いています。こちらはUSB-PD非対応です。
左サイドから見た様子です。電源コネクタ、フルサイズHDMI、USB-C、ヘッドフォンジャックを搭載しています。こちら側のUSB-CがUSB-PDに対応しています。
本体の充電器はこちら。高出力CPU、高性能GPUを搭載しているのでアダプタもかなり大きめです。持ち運びには向きません。
手に持った様子がこちらです。大きいことがわかると思います。
なお付属のケーブルは柔らかい素材を採用しているため取り回しが良いことが特徴です。
Zephyrus G14のメリット・魅力
14インチでは最強性能
Zephyrus G14はRyzen9 4900HSを搭載しており、CINEBENCH R20の計測値でマルチ4459ptsと非常に高い数値をたたき出しています。これは14インチのCore i7-10510Uのパソコンと比べると3~4倍近い数値です(Expertbook b9は約1000pts)。
ゲーミングの概念を覆すほどコンパクト
高い性能を持つだけでなくゲーミングの概念を覆すほどコンパクトな本体の方が個人的にはインパクトを受けました。1.6kg強なので片手で持つことも可能です。
ゲーミングパソコンにありがちなエッジがほとんどないため、余計なでっぱりがない綺麗な直方体となっています。
タイピングにも優れ高速で仕事をしたい人に
Zephyrus G14はキーが全て独立しており、さらに構造的に打ちやすくおすすめです。本体が高性能なこともあって、タイピングの遅れを一切感じることのない快適なタイピング作業ができるでしょう。
ビジネスでも使える外観
ゲーミングパソコンはどれも外観が特徴的だったり、ライティングが派手なのでビジネスシーンで使えないものの方がほとんどですが、このノートパソコンはそういった要素がありません。キーボードのバックライトですらホワイトとなっており、良い意味で普通です。
高性能なパソコンは主張が強くなりがちですが、このZephyrus G14のようにビジネスシーンでも使える外観は購入者にとって選択肢が増えることに繋がるでしょう。
ゲーム中にアプリを落とすことも可能
Zephyrus G14ではパフォーマンスをコントロールするために「Armoury Create」というアプリが付属します。キーボード上のROGマークを押すと起動するアプリです。
このアプリを起動することでパフォーマンスが上げられるだけでなく、プロセスを停止(解放)することも可能。高性能なパソコンを自分好みにさらにチューンすることができます。
Zephyrus G14のデメリット・欠点
ファン音がうるさい
高性能なこともあって、ファン音がうるさいです。サイレントモードでもサーっという音は常に聞こえます。
高負荷時の熱が気になる
ベンチマーク実行時に本体上側が非常に熱くなる現象がありました。ゲームや4K動画の連続再生をすると本体に負荷がかかり、性能低下につながりそうです。
電源アダプタについて
電源アダプタが重いため、アダプタを持ち運んでのモバイル性には難があります。USB-PDに対応しているので、90WのRAV POWER充電器などを用いると良いでしょう。
みんなの口コミ
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現実的なモバイル利用ができる薄型軽量のゲーミングPCとして、2020年8月現在最良といえるマシンです。高負荷(特にゲーム)利用時の熱問題はノートPC用クーラーなどで対策すれば問題ないですよ。
外観は非常にカッコイイと思いますが、元は購入したいですけど、このレビューを見ながら、更に外国のレビューもあるし、ちょっと熱の問題を気にするわ。
14インチの中では、最強のCPU、最強のGPUを搭載したノートパソコンなので性能は申し分なし。快適に使えますし、ベンチマークの数値もハイスコアが出ています。
ただしハイスコアの大小として温度が上がりすぎることが懸念点です。熱コントロールのところで課題が残ると感じたので星4としています。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 見た目がシンプルでかっこいい
- キーボードが打ちやすく好み
- ゲーミングパソコンには見えない
見た目 | |
重さ | |
打ちやすさ |
Zephyrus G14がおすすめな人
とにかく高性能なノートパソコンが欲しい人
Zephyrus G14はとにかく高性能。このレベルのCPUを搭載したノートパソコンはほぼないので、14インチで高性能なノートパソコン(特にCINEBENCH R20で3000ptsを超えるもの)が欲しい人は一択ともいえるでしょう。
外でも高負荷作業が必要な人
高性能なノートパソコンだけであれば15.6インチや17.3インチを選べばいいですが、持ち運び性はあまりよくありません。このZephyrus G14は14インチなので持ち運び性は抜群に良いので、外でも高付加作業が必要な人におすすめしたいモデルです。
外部出力を想定して使う人
下手なデスクトップよりも性能が高いためクラムシェルなどにして利用する人も多くいるでしょう。Zephyrus G14は高性能なGPUを搭載しているため負荷が大きい状況でも問題なく使えます。
また、DELL U2720QのようなUSB-PDで65W以上の給電が可能なタイプを選べば、ケーブル一本で全てをまかなうことができます。
Zephyrus G14がおすすめではないタイプ
音が気になる人
このパソコンの最大の欠点はやはり音です。ファンの音がかなりうるさいため、音が気になる人にはおすすめできません。
Zephyrus G14のカスタマイズ・モデルの選び方
基本的にASUSにはカスタマイズはなく、個別のモデルから選択します。Zepyrus G14は非常に幅広いラインナップを揃えており、Ryzen5~9まで選べる分価格帯がたくさんあります。
幅広い分、自分に合ったものを選ぶべきともいえますが、個人的にはRyzen9モデルを選んで欲しいです。14インチのノートパソコンでこれまでハイスペックかつ価格帯を抑えたパソコンは他になく、性能面で間違いなく最強なうえモバイル性も優れたPCだからです。
Zephyrus G14の実機レビューまとめ
低価格14インチのIce Lake
結論
本機は14インチでありえないほど高性能なノートパソコンです。デスクトップパソコンの代わりとして使えるどころか、一般的なデスクトップパソコンと比べて圧倒的な性能を誇ります。
ただし、その犠牲としてファン音が大きかったり温度が上がりやすく、サーマルスロットリングの問題があります。
本機はゲーミングPCですが、それよりも普段の作業(テキスト作業)を「超効率的」にこなす持ち運べるデスクトップとして最強の機種だと個人的に捉えています。
Zephyrus G14を安く買う方法
ASUSのパソコンにはカスタマイズモデルがなく、既存のラインナップから選ぶ形になります。そのため、公式サイトだけでなく通販をチェックする必要があります。
ただ、覚えておいて欲しいのはASUSの公式サイトのキャンペーンはかなり強力で驚くほどの値段が出ることがあります。一度は必ずASUS公式サイトのキャンペーンページを見るようにして下さい。
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