ThinkPad P14sのレビュー概要
Quadro搭載の14インチノートPC
ThinkPad P14sは、シリーズの中でも珍しく、GPUにQuadroを積んだモデルで、CADや医療シーンなどに適した業務用向けのモデルとなっています。
ThinkPadシリーズではGPU搭載モデルは少ない中でも、P14sは14インチモデルで載せている数少ないパソコンとなっています(GPU搭載は15インチがメインストリーム)。
GPUを搭載はしているものの、ベンチマーク結果で出しているように一般的な用途でのスコアは伸びずらくなっています。そのため、一般用途ではなく業務用としての魅力を感じる人が選ぶべきモデルです。
簡易スペック表
CPU | Core i7-10510U Core i7-10610U Core i5-10210U |
RAM | 8~48GB |
ROM | 256~2TB SSD |
画面 | 14.0インチ |
GPU | Quadro P520 |
USB-PD | 対応 |
LTE | 対応 |
重量(実測) | 1495 g |
Cinebench R20 | 1030 pts |
※詳細スペックはこちら
※その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ThinkPad P14s実機レビュー目次
実際に使った感想(主観)はメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。
※本記事メーカーよりお借りしてレビューしています。
ThinkPad P14sの特徴
ここではThinkPad P14sの一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
Quadro搭載の14インチモバイルワークステーション
ThinkPad P14sは同シリーズの中でも珍しいQuadro P520を搭載したワークステーションです(Quadro搭載は基本的にThinkPad Pシリーズになる)。そのため、一般的にCAD、動画編集などに向くモデルになります。
カラーキャリブレーション済
Quadro自体の強みを活かし、本モデルでは出荷時のカラーキャリブレーションが行われたモデルです。そのため、よりクリエイター向きの機種になります。
LTEモデルも選択可能
Quadro搭載PCであるだけでも珍しいですが、ThinkPad P14sではさらにLTEモデルを選択することも可能です。Quadroのディープカラーを外で柔軟に使いたい人には魅力に感じるモデルと言えるでしょう。
ThinkPad P14sの価格とコストパフォーマンス
ThinkPad P14sはエントリーが105,908円からとなっています。立ち位置的に非常に珍しいモデルのため、ベンチマーク結果から見たコストパフォーマンスは悪いです。ただし、本機種を選ぶポイントはベンチマークではなく、プロセッサの特有性であるためコスパは無視するべきと考えます。
コスト評価について
上記の記載は2021/3/23時点の値段を基準に評価しています。現在の価格については、各通販サイトをご覧いただくとともに割引ページも合わせてご確認ください。
ThinkPad P14sのスペック
今回レビューしたThinkPad P14sのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020/5/26 | |
製品名 | ThinkPad P14s | |
型式 | - | |
サイズ | - | |
重量(実測) | 本体 | 1495 g |
電源アダプタ | 305 g | |
CPU | Core i7-10610U | |
GPU | Quadro P520 | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
保存(ROM) | 1st | 512GB SSD |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14.0インチ |
解像度 | 3840×2160 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz | |
生体認証 | 指紋 | 〇 |
Windows Hello | 〇 | |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 無し | |
リヤカメラ | 画素数 | - |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | 5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 対応 |
SIMカードサイズ | nanoSIM | |
光学ドライブ | 非対応 | |
バッテリー | サイズ | 3セルバッテリー |
公称値 | 15.1時間 |
※1 詳細仕様はこちら
スペックの解説
今回レビューしたThinkPad P14sはシリーズの中でも最もスペックが高い、Core i7-10610Uに対応したモデルです。また最上位モデルでは、LTEが標準で対応しており、QuadroとLTEが同時に使える珍しいモデルになっています。バッテリーはGPU搭載モデルとしては15.1時間と長めになっています。
ThinkPad P14sのベンチマーク
ベンチマーク結果は以下の通りです。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の計測値は通常時でマルチ1030pts、シングル383ptsとなりました。第10世代Core i7としては低い数値となっています。他機種との比較はCINEBENCH R20のデータ一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23をMinimum Test Duration 10分にして測定を行いました。結果はマルチが2656 pts、Singleが993 ptsという結果になっています。
PASSMARK
PASSMARKの測定値は以下の通りです。他機種との比較をしたい人はPASSMARKのデータ一覧をご覧ください。
VRmark
VRmarkのオレンジルームでテストを行いました。スコアは624となりました。GPU搭載PCとしては非常に低く、QuadroはVRに向かないことが分かります。
VRmarkのブルールームでテストを行いました。スコアは164となりました。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。3558MB/sなので、SSDの中でも非常にスピーディーなタイプと言えます。
騒音テスト
ゲームベンチマーク時でもあまり音は大きくありませんでした。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 未測定 | 未測定 |
高品質 | 未測定 | 未測定 |
標準 | 3551 | 快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。軽量品質で1407と非常に低いスコアになっています。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
高品質 | 未測定 | 未測定 |
標準 | 未測定 | 未測定 |
軽量品質 | 1407 | 動作困難 |
ThinkPad P14sの通信環境(WI-Fi)のテスト
ThinkPad P14sの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6非対応)でWi-FiにはWi-Fi6非対応のLYNKSIS VELOPを用いています(クリックで拡大します)。
全ての部屋で安定した数値が出ています。PINGの低下も見られず快適な動作でした。
ThinkPad P14sのUSB-C(PD)による充電テスト
USB-PDによる充電テストを行いました。61W、90Wで検証したところ、充電が確認できました。実測は以下の写真の通りです。クリックにより拡大できます。
ThinkPad P14sの外観
天板です。ThinkPadらしい艶消しのシンプルな質感となっています。
背面です。こちらもシンプルな仕上がりです。
開いた様子です。ThinkPad シリーズらしい武骨なデザインです。ベゼル幅は広めですが、あまり気になりません。
開ききった様子です。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボードです。変則さはありませんが、Lenovoらしく左下CtrlとFnが入れ替わっています。
2点間のキーの幅を測定し割返して計算したところ、17.5mmとなりました。またキーストロークは1.7mmとなり、しっとりした深いThinkadらしい打ち心地になっています。
タッチパッドの幅はぴったり100mmとなっています。
本体右側インターフェイスです。ケンジントンロック、イーサネットコネクタ、USB-Aがあります。
左側です。USB-C、ドッキングステーション対応のコネクタ(USB-C兼用)、USB-A、HDMI、ヘッドフォンジャック、microSDが搭載されています。Thunderbolt3にも対応しています。
背面インターフェイスにはSIMスロットがあります。
取り出したSIMスロットです。nanoSIMとなっています。
本体質量は1495gとなっています。
付属の充電器込みで1810g。単体では305gとなっています。
手に持った様子です。
ThinkPad P14sのメリット・魅力
QuardoとLTEの組合せは非常に珍しい
本来ワークステーションとして使われることの多いQuadro GPU搭載のパソコンとLTEが組み合せて発売されているモデルはあまりありません。選択肢が限られるモデルなだけにThinkPadシリーズで選べることは大きなメリットです。
クリエイティブ用途でカラー確認に向く
ThinkPad P14sはカラーキャリブレーションされていること、さらにQuadroGPUにより、Deep Colorに対応していることでカラー確認用途に向いています。
ThinkPad P14sのデメリット・欠点
価格の割に性能が低い
ベンチマーク結果の通り、Cinebench R20での性能が1030 ptsしかなく、価格の割に性能が低くなっています。また、VRmark、FF15ベンチも低くなっています。
みんなの口コミ
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Core i7-10610UとQuadro搭載のモバイルワークステーションをウリとするモデルだが、価格に対する性能が低い。正確な色をキャリブレーションしている点、QuadroのDeep Colorが使える点はメリットだが、価格を見るとそこまで出すよりも性能を抑えてキャリブレーションをしたり、外部ディスプレイを導入する方が良いとも感じる。ただ、Quadro、14インチ、SIMフリーという珍しい組み合わせが選べるPCなので、そこに魅力を感じればほぼ一択ともいえるモデル。どちらにしても一般向けではなく玄人向けの印象。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 黒くてシンプルなデザインでカッコイイ
- 深くてタイピングしやすい
ThinkPad P14sがおすすめな人
モバイル環境で色をチェックしたい人
ThinkPad P14sの最大のメリットはQuadroを搭載していることでDeep Colorが使えること、さらにカラーキャリブレーションがなされていることで色を正確に表現できることです。ThinkPad P14sはLTEにも対応しており、重さは1.5kgとなっているためモバイル環境で色を確認したい人に向くパソコンと言えます。
ThinkPad P14sがおすすめではないタイプ
業務用として作業性を重視する人
Quadroを搭載していることで、ワークステーションの名前が付いていますが、中身の性能としては高くありません。そのため、作業性を重視する人には向かないノートパソコンとなっています。
ThinkPad P14sのカスタマイズ・モデルの選び方
ThinkPad P14sは、使う人の用途によって変わるためカスタマイズモデルは予算と都合に合わせて選びましょう。同じ名前のモデルにThinkPad P14s(AMD)がありますが、こちらは内蔵グラフィックスなので注意してください。
ThinkPad P14sの実機レビューまとめ
Quadroで価格を許容できる人向け
結論
ThinkPad P14sは14インチの2020年発売モデルで唯一Quadro GPUを搭載している特徴的なモデルです。
ベンチマーク結果の通り性能面では低いため、価格パフォーマンスは悪いですが、Quadro自体をモバイル環境で使いたい人にとっては、軽量性・SIMフリーLTE対応などメリットが出てくるPCと言えるでしょう。
ThinkPad P14sを安く買う方法
ThinkPad P14sに限りませんが、LenovoのPCはある方法を使うことでさらに安く買うことができます。以下のページにお得に手に入れる方法をまとめているので、かならずご覧ください。
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