後継モデルについて
本機種は2021年に新モデルが発売されています。後継機種の実機レビューも合わせてご覧ください。
XPS13(9300)のレビュー概要
超狭小ベゼルで無駄を削ぎ落したモデル
XPS13 9300は超狭小ベゼルになり、13.4インチとしては非常にコンパクトになっています。外観で掲載していますが、左右ベゼルは実測で3mmしかありません。
外部GPUのないパソコンとしては価格帯が高めですが、そのぶん本体のキーボードやタッチパッドなど手に触れる部分の質感・性能が高くなっていて所有欲が満たされる一台。
スペック重視ならおすすめはしませんが、それに勝るXPSのブランド性を感じる13インチノートパソコンです。
簡易スペック表
CPU | Core i7-1065G7 Core i5-1035G1 |
RAM | 8~16GB |
ROM | 256~512GB SSD |
画面 | 13.3インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE | 非対応 |
重量(実測) | 1260 g |
CINEBENCH R20 | 1566 pts |
※詳細スペックはこちら
※ベンチマークはCore i7-1065G7モデルで計測
XPS13(9300)実機レビュー目次
実際に使った感想(主観)はメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。
※本記事はメーカーからお借りしたものを用いて検証しています。
XPS13(9300)の特徴
ここではXPS13(9300)の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
高級モデルにふさわしい外観
XPS13 9300は、オンボードグラフィックスのノートパソコンとしては高価で15万円前後がスタート価格になります。
スペック面で見るとコスパは悪いですが、その分、外観が豪華。美しいデザインが魅力のモデルです。
13型のノートでは最狭小ベゼル
XPS13 2020の最大のウリは画面占有率91.5%の超狭小ベゼルです。同クラスのノートパソコンとしては最高レベル。そのぶん幅、奥行きが小さくなり、モバイル性がアップしています。
削ぎ落したサイドインターフェイス
XPS13 2020はWindows機としては大胆なUSB-Cポートとヘッドフォンジャックのみのインターフェイスとなりました。何か外部接続するときに、アクセサリーが必要になる欠点はありますが、デザイン性の面ではすっきりしたことで高級感が増しています。
XPS13(9300)の価格とコストパフォーマンス
XPS13(9300)は中身の性能面を見ると、コストパフォーマンスは悪くなります。Core i5モデルでも20万円前後しますし、この価格帯なら薄型ゲーミングPCが買えてしまうほどのコスト。
しかし、XPSの魅力はデザイン。スペック面では感じられないそれ以上のものを持っています。特に超狭小ベゼルや、優れたタッチパッドセンサなど所有欲と操作感の向上の面では低価格モデルには無い魅力があり、その点に惹かれる人が買うべきモデルと言えるでしょう。
XPS13(9300)のスペック
今回レビューしたXPS13(9300)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020年2月14日 | |
製品名 | XPS13 | |
型式 | 9300 | |
サイズ | 296×199×14.8 mm | |
重量(実測) | 本体 | 1260 g |
電源アダプタ | 235 g | |
CPU | Core i7-1065G7 | |
GPU | 内蔵グラフィックス | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
保存(ROM) | 1st | 512GB SSD |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 13.4インチ |
解像度 | 1920×1200 | |
形式 | IPS液晶 | |
光沢 | グレア(光沢) | |
リフレッシュレート | 60Hz | |
生体認証 | 指紋 | × |
顔認証 | × | |
フロントカメラ | 画素数 | 720万画素 |
物理シャッター | × | |
リヤカメラ | 画素数 | - |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | 5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | - |
SIMカードサイズ | - | |
光学ドライブ | - | |
バッテリー公称値 | サイズ | 4セル |
JEITAによる基準 | 記載なし | |
ACアダプタ容量 | 45W |
※詳細仕様はこちらからご確認ください。
スペックの解説
スペック的には内蔵グラフィックスのパソコンとしてはハイエンドなグレードになります。アスペクト比が16:10となっており、縦の情報量が多く取れるディスプレイ。ノートパソコンは16:9が多いことを考えればより作業に向くノートパソコンと言えるでしょう。2020年で多く搭載されるようになったWi-Fi6はハイエンドモデルということもあり、もちろん装備しています。
XPS13(9300)のベンチマーク(CINEBENCH、動画編集など)
ベンチマーク結果は以下の通りです。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の計測値は通常時でマルチ2668pts、シングル437ptsとなりました。他機種との比較はCINEBENCH R20のデータ一覧をご覧ください。なお今回は標準モードで測定をしています。
PASSMARK
PASSMARKはなぜか測定が回らなかったため、未掲載です。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。一般流通レベルでは最高クラスの速度となっています。
騒音テスト
動画書き出し時の騒音を計測しました。平常時は静かですが、書き出し時はかなり音が大きくなります。
ベンチマーク時の熱について
以下はダビンチリゾルブでのフルHD動画書き出し時のCPUとGPUの温度推移です(ブラウンがCPU、ブルーがGPU)。書き出し時は90℃を超える温度で推移しており、100℃に到達しそうになりますが、その時点でサーマルスロットリングのような挙動となりました。
動画編集ベンチマーク
Davinch Resolve16を用いて、フルHD動画の書き出しを行ったところ、10分38秒でした。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 2325 | 普通 |
高品質 | 3268 | やや快適 |
標準 | 3976 | 快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。なお、標準品質以上はスペック的に厳しく、ベンチが回らなかったため、未測定です。
モード | スコア | 評価 |
高品質 | 未測定 | 未測定 |
標準 | 未測定 | 未測定 |
軽量品質 | 1683 | 動作困難 |
XPS13(9300)の通信環境(WI-Fi)のテスト
VivoBook S15(2020)の通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6非対応)でWi-FiにはWi-Fi6非対応のLYNKSIS VELOPを5GHz帯で用いています(クリックで拡大します)。
一部屋をまたいだ距離では安定していましたが、最長距離では半分以下と大きく速度が低下する結果となりました。
XPS13(9300)のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-PDによる充電テストを行いました。18W、30W、61W、90Wで検証したところ、18以外は充電が確認できました。実測は以下の写真の通りです。クリックにより拡大できます。
なお、本PCは逆サイドにもUSB-PDがあり、充電に対応しています。
XPS13(9300)の外観
天板はマット調のホワイトシルバーです。指紋が目立たない点が好印象です。
背面です。センターにXPSの文字とスリットが入っています。
開いた様子です。狭小ベゼルが特徴的です。
最大に開いた様子です。最大角は135°となりました。
上部ベゼルです。サイドは3mm(黒い部分、白枠まで入れると約4mm)となっています。
下部ベゼルです。上部に比べると大きいですが、キーボードのヒンジと重なるため実質的にはほぼ見えなくなります。
キーボードです、一般的な配置です。電源ボタンがバックスペースの上にあるため、この点は賛否両論ある可能性があります。キータッチ自体はしっとりとして打ちやすいです。
電源ボタンはバックスペース上に配置されています。
ミツトヨのデジタルノギスで2点間のキーを測り、割返してキーピッチを計測したところ17.8mmでした。またキーストロークは0.6mmでかなり浅めです。
タッチパッド幅は113mmです。感触がよく、Macbookと遜色ないレベルです。
右側インターフェイスです。USB-C、電源コネクタがあります。
左側インターフェイスです。USB-C、microSDを備えています。なお両側ともにUSB-Cのため、USB-Aへの変換コネクタが付属します。
microSDを収納した様子です。全て収納することが可能です。
本体質量を測定した様子です。1260gとなりました。
充電器込みで質量を測定した様子です。充電器は235gです。
XPS13(9300)のメリット・魅力
本体の高級感
XPS13 2020の高級感はノートパソコンとしては別格です。パームレストのホワイトカーボン調デザインやエッジがダイヤモンドカットされてチリが合っているところなど妥協が全くありません。
持ち運びに優れたコンパクト性
超狭小ベゼルとなり、13.4インチパソコンがさらにコンパクトになっています。本体薄型のため、カバンの中で邪魔になりません。
キータッチ、タッチパッドの質感
XPS13 2020で最も評価したいのがこのキータッチとタッチパッドです。しっとりとしたタッチ、滑りの良いタッチパッドで文句なしの性能です。格安ノートパソコンとは一線を画していると言えるでしょう。
天板の防汚性
今回検証したモデルはプラチナシルバーですが、天板が磨き上げではなくマット加工されているため指紋がほぼ付きません。背面も同様です。
XPS13(9300)のデメリット・欠点
追加アクセサリーが必要になる可能性が高い
インターフェイスがUSB-Cしかないことで、見た目はかっこいいですが追加アクセサリーが必要になる可能性は非常に高いです。特にカメラを趣味にしている人はUSBハブは必須と言えるでしょう。
スピーカー音が貧弱
15万円以上するノートパソコンとしては、スピーカー音が貧弱で軽い音になっています。このクラスでは、音にこだわりのあるPC(ゲーミングやMacBook)があるのでもう少し向上した欲しかったところです。
みんなの口コミ
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2020年発売のハイエンドノートパソコン。スペックは高くないですが、外観の仕上がりが良すぎてそれだけで買う価値がある一台。シルバーモデルのパームレスト部の仕上がりが素晴らしくレベルが高くて惚れ惚れするほど。
音が弱いのが弱点なので、そこだけ改善してくれればオンボードグラフィックスのノートパソコンとしてはほぼ満点。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- コンパクトで見た目がかっこいい
- ベゼルが薄い
XPS13(9300)がおすすめな人
高級機を気軽に持ち運びたい人
XPS13 9300は外観の優れた高級機が欲しい人にとっては非常に魅力的です。オンボードグラフィックスモデルなので消費電力が小さく、充電をUSB-PDでしても余力があり、持ち運びもスマート。外観の仕上がり度合が高いため、外で使っていても恥ずかしくないパソコンと言えるでしょう。
タッチパッドをよく使う人
XPS13 9300の大きな魅力がタッチパッドです。さらさらとした質感でとても使いやすい。MacBookやThinkPadの上位モデルに匹敵する快適さです。そのため「外でマウスを使えない環境」でよく使う人にとっては有利に働くモデルと言えます。
XPS13(9300)がおすすめではないタイプ
外出先でインターフェイスをよく使う人
USB-Cのみのインターフェイスは、ミニマリスト的には良いですが犠牲にしている部分も大きいです。外部映像を出力することにもアダプタの利用が必須なので外回り、プレゼンの多い営業マンには不向きでしょう。
スペック重視する人
XPS13 9300はスペックで選ぶパソコンではありません。同価格帯なら、MacBook 16インチが買うことが出来ますし、ほぼ同じ軽さで外部GPU搭載したモデルを購入することもできます。それ以上にこのデザインに魅力を感じる人が選ぶべきモデルです。
XPS13(9300)のカスタマイズ・モデルの選び方
XPSの選び方は非常に難しいのですが、著者の意見としては「好きなものを買えばよい」というイメージです。このパソコンは、スペックによるコスパよりも、本体の仕上がりや高級感が優先されるモデル。そのため、カスタマイズモデルを選ぶ際に価格面での考慮が入ってこないと考えます。
唯一懸念する点としては固定資産税ですが、最上位モデルでも20万円は超えていないことからその点でも気にする必要はありません。
XPS13(9300)の実機レビューまとめ
XPS13(9300)を安く買う方法
XPS13(9300)はDELLの公式サイトで買うことができます。クーポンで大幅に安くなることがあるので一度必ず公式サイトの値段を必ず活用して下さい。今週のお買い得ページは購入前に必ずチェックしておきましょう。
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