ThinkPad P17のレビュー概要
最大クラスのモバイルワークステーション
ThinkPad P17はXeonまでを含むプロセッサを選択でき、かつ強力なグラフィックボードまでも選択できる実務でパソコンをハードに使うオペレーターの人におすすめできるワークステーションです。
またグラフィックボードにQuadro RTX1000~5000までを選択することができ、クリエイティブ能力も高くなっています。ただし、最上級クラスのモバイルワークステーションということもあり価格は高額になっています。
簡易スペック表
CPU | Core i5-10400H Core i7-10750H Core i7-10875H Core i9-10980HK Xeon W-10855M |
RAM | 8~128GB |
ROM | 256GB~2TB SSD |
画面 | 17.3インチ |
GPU | Quadro RTX1000 Quadro RTX2000 Quadro RTX3000 Quadro RTX4000 Quadro RTX5000 |
USB-PD | 非対応 |
LTE | 対応モデル有 |
重量(実測) | 2575 g |
Cinebench R20 | 2978 pts |
※詳細スペックはこちら
※その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
ThinkPad P17実機レビュー目次
実際に使った感想(主観)はメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。
※本記事ではメーカーから検証機をお借りして実機レビューしています。
ThinkPad P17の特徴
ここではThinkPad P17の一般的な特徴に触れています。筆者が使用した感想については、メリット・デメリットからご覧ください。
超大型のワークステーション
ThinkPad P17は本体サイズが17インチの超大型のノートパソコンになっています。本体だけでも3400gを超えており、持ち運びには向かない一方で強力なプロセッサと大きな画面でどこでも作業しやすい一台となっています。
Core i5からXeonまで選択可能
モバイルワークステーションということで高性能プロセッサだけの選択に見えるかもしれませんが、ThinkPad P17の面白いところはCore i5からXeonプロセッサまでのCPUを細かく選べるところです。また各CPUに応じてカスタマイズ性も多彩。モバイルワークステーションのため高額になるものの、それなりに自分の予算に合わせて調整できる点は嬉しいところです。
構成は用途に合わせて細かく調整できる
プロセッサだけでなく、オプションも充実しています。筐体サイズが大きいためインターフェイスが充実している上、WWANにも対応しており、LTEを使うことも可能になっています。
ThinkPad P17の価格とコストパフォーマンス
ThinkPad P17はコストパフォーマンスを求める機種ではありませんが、絶対的なCPU、グラフィック性能から考えると低くなっています。それよりもThinkPadのブランド性やMILスペックをクリアしているといった一般スペックには現れない部分で評価すべきモデルと言えるでしょう。
ThinkPad P17のスペック
今回レビューしたThinkPad P17のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2020年9月 | |
製品名 | ThinkPad P17 | |
型式 | ー | |
サイズ | 416×281×25-33.25mm | |
重量(実測) | 本体 | g |
電源アダプタ | g | |
CPU | Core i7-10875H | |
GPU | Quadro RTX3000 | |
メモリ(RAM) | 16GB | |
保存(ROM) | 1st | 1TB SSD |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 17.3 インチ |
解像度 | 3840×1920 | |
形式 | IPS液晶 | |
リフレッシュレート | 60Hz | |
生体認証 | 指紋 | 〇 |
顔認証 | 〇 | |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | - |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | 5.1 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 対応 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非対応 | |
バッテリー | サイズ | 6セルバッテリー |
公称値 | 最大16.6時間 |
※1 詳細仕様はこちら
スペックの解説
今回レビューを行った機種はおおよそ中位に当たるモデルです。さらに上位ではCore i9やXeonモデルも選ぶことが可能です。他のモデルのスペックについては以下のページからご確認ください。
ThinkPad P17のベンチマーク
ベンチマーク結果は以下の通りです。
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は4019pts、シングルコア503ptsという結果になりました。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は10036pts、シングルコア1297ptsという結果になりました。
PASSMARK
PASSMARKの測定値は以下の通りです。他機種との比較をしたい人はPASSMARKのデータ一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。リードが2500MB/s程度で高速です。
VRmark
VRmarkのオレンジルームでテストを行いました。スコアは8227となりました。
VRmarkのブルールームでテストを行いました。スコアは1769となりました。
動画編集ベンチマーク
Davinch Resolve16を用いて、FHDの10分間の動画の書き出しを行いました。2分44秒となっています。
ベンチマーク時の熱について
動画書き出し時の熱は以下の通りです。CPUは100℃付近まで上昇し動画書き出しが終わるまで継続していました。
騒音テスト
ベンチマーク時、動画エンコード時にはかなり大きな音が鳴っています。本体は100℃近くまで上昇しているためファンが唸っていることが影響していると考えられます。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | 13611 | 非常に快適 |
高品質 | 14910 | 非常に快適 |
標準 | 15914 | 非常に快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
高品質 | 6205 | 快適 |
標準 | 8357 | 快適 |
軽量品質 | 10613 | とても快適 |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。
ThinkPad P17の通信環境(WI-Fi)のテスト
通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。非常に安定した結果が得られています。
ThinkPad P17のUSB-C(PD)による充電テスト
ThinkPad P17でUSB-PDによる充電テストを行いました。20Wから61Wで検証したところ、全て充電ができませんでした。
USB-PDの出力 | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | × | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | × | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
61W | × | RP-PC133 |
ThinkPad P17の外観
天板です。ThinkPadならではのマット調になっています。
背面です。スリットがたくさん入っています。
開いた様子です。比較的ベゼルが広めになっています。
最大角は180°まで開く用になっています。
フロントカメラです。物理シャッターも搭載しています。
上部ベゼルです。
下部ベゼルです。
キーボードです。日本語配列でテンキー搭載しています。
キーピッチは2つのキーボードをミツトヨのデジタルノギスで測定し割返した結果、17.8mmとなっています。キーストロークは2.0mmです。
タッチパッドは100mmとなっています。
電源ボタンは外側になっています。
パームレストは天板と同じようにマット調になっています。また指紋認証もパームレストに付いています。
本体左側のインターフェイスです。通気口、HDMI、USB-A、ヘッドフォンジャックを搭載しています。
右側インターフェイスです。ケンジントンロック、通気口、USB-A×2、フルサイズSDカードスロットがあります。
背面です。通気口、電源コネクタ、Thunderbolt×2、USB-C、有線LANを搭載しています。
本体重量は3495gとなっています。
充電器込みの重量で4410g、充電器単体では915gとなっています。
ThinkPad P17のメリット・魅力
一台でこなせる実力のあるワークステーション
筆者自身、SolidWorksやシミュレーションソフトのCAEソフトを使っていましたが、ThinkPadでこの構成が使えるのは非常に羨ましいと言えます。プロセッサのパフォーマンスが高いだけでなく、ThinkPadならではの入力性の高さは非常に魅力と言えます。
据え置きとしてのインターフェイスも魅力
ThinkPadシリーズは大型モデルになると左右に加え、背面にもインターフェイスを持つようになりますが、このモデルもその一つ。Thunderbol3やイーサネットコネクタを背面に備えているため、ディスプレイを接続したり、Thunderboltハブを用いることでデスクトップPCライクに使えるモデルとも言えます。
ThinkPad P17のデメリット・欠点
高音になりやすい
ThinkPad P17は本体が17インチなだけでなく、厚みがあったり排気がしっかりしていますが、ベンチマーク測定時の温度分布を見てもわかるようにプロセッサが高温になります。高温になればその分パフォーマンスが落ちるため、PCスタンドやPCの下に設置する冷却ファンなどを利用すると良いでしょう。特にCAEをする場合は、連続運転することが前提になるためパフォーマンスの維持を考えれば有効な改善策となり得ます。
みんなの口コミ
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最大級のワークステーションで超ハイスペックな構成も選べる一台。ノートパソコンですが、重さがあるので実質据え置き利用になるでしょう。いざという時にハイスペックな構成をそのまま持ち出せるのは便利です。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- ノートパソコンとは思えないほど大きい
- 大きいがデザイン自体はスッキリしている
ThinkPad P17がおすすめな人
ほぼ据え置きのモバイルステーションを求める人
ThinkPadのモバイルステーションシリーズはいくつかありますが、ほぼ据え置きなモバイルワークステーションを求める人には大型なThinkPad P17はぴったりです。ディスプレイが大きいためそのまま使える点はもちろん、インターフェイスが優れているため拡張性の点でもメリットが大きいと言えます。
ThinkPad P17がおすすめではないタイプ
持ち運びを行う人
ThinkPad P17でも3.4kg程度なので持ち運びができなくはありませんが、ワークステーションを持ち運ぶことを前提とするのならThinkPad T15gをおすすめします。スペックの構成としてはかなり似通っており、P17を求めている人のニーズと近くなっています。以下でレビューしているので参考にしてください。
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ThinkPad T15gの実機レビュー
Xeon搭載かつ高性能グラフィックスボードも搭載のハイエンドモバイルワークステーション。値段は高いがその分実力も高い一台です。モバイルには向きませんが、SIMフリーモデルも存在します。
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色を求める人
色を求める場合も上と同様にThinkPad T15gをおすすめします。このモデルは出荷段階でカラーキャリブレーションされているため、色による間違いが起きにくいモデルと言えます。
ThinkPad P17のカスタマイズ・モデルの選び方
ThinkPad P17を選ぶ人はパソコンに詳しいと思うので予算に合わせて選べばいいと思いますが、下位モデルを買う場合だけは要注意です。Core i5やCore i7モデルは絶対性能から考えると高めになっています。この場合でQuadroが必要ないのであれば他社のRyzen、GeForce30シリーズを搭載したモデルを検討すると良いでしょう。
ThinkPad P17の実機レビューまとめ
ThinkPad P17を安く買う方法
ThinkPad P17に限らずLenovoのパソコンは安く買う方法があります。以下の記事で詳しく解説しているので、必ずご覧ください。
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