IdeaPad Slim550(14)のレビュー概要
Ryzen5000シリーズ搭載の低価格ノート
2021年発売のノートパソコンの中でコストパフォーマンス1、2位を争うほど魅力的な機種。デスクトップに引けを取らないプロセッサ性能を持ちながら、5万円台から購入することができます。
低価格なりにコストダウンされている部分もありますが、ディスプレイ、キーボード、スピーカーなど実用の部分は全て標準クラスが確保されており、安くて実用的な(そしてできるだけ高性能な)パソコンが欲しいという欲張りな人でも満足できる一台です。
簡易スペック表
発売日 | 2021年3月2日 |
CPU | Ryzen3 5300U Ryzen5 5500U Ryzen7 5700U |
RAM | 8~16GB |
ストレージ | 256~512GB |
画面サイズ | 14インチ |
GPU | 内蔵グラフィックス |
USB-PD | 対応 |
LTE・5G通信 | 非対応 |
MSオフィス | 選択可能 |
重量 | 1410g |
Cinebench R20 | 3009pts |
※詳細スペックはこちら。その他性能は目次よりベンチマーク結果をご覧ください
IdeaPad Slim550(14)の目次
実際に使った感想(主観)はメリット・デメリットからご覧いただけるとわかりやすくなっています。購入を悩んでいる場合はおすすめかどうかをチェックください。
※本記事ではメーカーより貸出を受けて、テストを行っています。
IdeaPad Slim550(14)の特徴
ここではIdeaPad Slim550(14)の一般的な特徴について解説しています。実際に筆者が使った感想、レビューについてはメリット・デメリットの項目をご覧ください。
5万円台なのにハイパフォーマンス
IdeaPad Slim 550は5万円台から買えるノートパソコンですが、搭載しているプロセッサが優秀で最も安いモデル(Ryzen3)でも十分使えるパフォーマンスを持っています。前モデル同様に安くて高性能なノートパソコンが欲しい人に人気があります。
USB-PDに対応
低価格モデルながら、USB-PDに対応しています。コンパクトなGaN充電器を用いることで持ち出し時にも便利な構成を組むことができます。
売れ筋TOP5に入る
IdeaPad Slim 550は対性能比のコストパフォーマンスが非常に高く、メーカーの売れ筋TOP5に入るほどのモデルです。人気のため、在庫切れになるケースも多いのでもし在庫が残っているならそのタイミングで買う方が良いでしょう。
IdeaPad Slim550(14)の価格とコストパフォーマンス
IdeaPad Slim 550は性能から見てコストパフォーマンスが非常に高く、おすすめのノートパソコンです。ネットサーフィン、書類作成、動画視聴程度なら余裕でこなすことができる能力を持つのでほとんどの人が困ることはありません。
IdeaPad Slim550(14)のスペック
今回レビューしたIdeaPad Slim550(14)のスペックは以下の通りです。
マシンスペック(技術仕様)
発売日(月) | 2021年3月2日 | |
製品名 | IdeaPad Slim550(14) | |
型式 | 82LM007GJP | |
サイズ | 211.6×21.6×17.9mm | |
重量(実測) | 本体 | 1410g |
電源アダプタ | 215g | |
CPU | Ryzen5 5500U | |
GPU | AMD Radeonグラフィックス | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
ストレージ | 1st | 256GB |
2nd | - | |
ディスプレイ | サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 | |
アスペクト比 | 16:9 | |
形式 | 記載なし | |
リフレッシュレート | 記載なし | |
生体認証 | 指紋 | 無し |
顔認証 | 無し | |
フロントカメラ | 画素数 | 720p |
物理シャッター | 有り | |
リヤカメラ | 画素数 | 無し |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac | |
bluetooth | v5.0 | |
LTEモジュール | 対応の可否 | 非搭載 |
SIMカードサイズ | ー | |
光学ドライブ | 非搭載 | |
バッテリー | サイズ | 3セル |
公称値 | 14時間時間 |
※レビュー機種以外やカスタマイズ内容などの詳細スペックはこちらからご覧ください。
IdeaPad Slim550(14)のベンチマーク
CINEBENCH R20
CINEBENCH R20の測定値は3009pts、シングルコア450ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。デュアルチャンネルメモリを搭載していることもあってか、Cinebench R20の結果は高めとなっています。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の測定値は6789pts、シングルコア1180ptsという結果になりました(パフォーマンスモードで測定)。他機種のデータについてはCINEBENCHの結果一覧をご覧ください。
Crystal Disk Mark
Crystal Disk Markの測定結果は以下の通りです。
ゲームベンチマーク
FF14
ファイナルファンタジー14 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果はFF14のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | ー | 未計測 |
高品質 | ー | 未計測 |
標準品質 | 4318 | 快適 |
FF15
ファイナルファンタジー15のベンチマーク結果は以下の通りです。全てフルHD品質でテストを行っています。他機種の結果は、FF15のベンチマーク結果一覧をご覧ください。
モード | スコア | 評価 |
最高品質 | ー | 未計測 |
高品質 | ー | 未計測 |
軽量品質 | 2026 | 重い |
CPU-Z
CPU-Zでの検証は以下の通りです。クリックで拡大することができます。
騒音テスト
騒音に関する評価は以下の通りです。CPUテストはCinebench R20、GPUテスト時はFinalFantasy15のベンチマーク測定時に測定を行っています。IdeaPad Slim 550はGPUテスト時でも比較的静かです。
モード | スコア |
アイドル時 | ほぼ無音 |
CPUテスト時 | ファンが回る音が聞こえる |
GPUテスト時 | ファンが回る音が聞こえる |
PC温度測定
平常時とCinebenchR23(multi)で10分負荷をかけた後にFLIRのサーマルカメラを用いて温度測定を行いました。アイドル時でもパームレスト部まで温度が少し上昇します。またベンチマークテスト時にはセンター部が熱くなる現象が見られました。
IdeaPad Slim550(14)のモニター評価(色域・トーンカーブ)
モニターの評価結果は以下の通りです。タブで色域の評価結果とトーンカーブの測定データを切り替えることができます。
IdeaPad Slim550(14)の通信環境(WI-Fi)のテスト
測定環境
Wi-Fiの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPv6対応)でWi-FiにはArcher 10 Proを用いました。テスト環境は以下の通りで戸建て環境の1階、及び2階で測定を行っています。幅方向約10.5m、奥行き方向8.2mの環境です。
検証結果
スピードテストを行った結果です。ポイント⑥になるほど実質的な距離が大きくなります。
ダウンロード数値比較
アップロード、PING、ジッターを計測した数値を表にまとめています。
測定項目 | ダウンロード | アップロード | PING |
単位 | Mbps | Mbps | ms |
ルーター前 | 521.72 | 548.25 | 7 |
ポイント② | 341.7 | 359.67 | 9 |
ポイント③ | 480.88 | 373.72 | 6 |
ポイント④ | 450.47 | 386.59 | 7 |
ポイント⑤ | 358.4 | 370.71 | 8 |
ポイント⑥ | 123.31 | 102.3 | 7 |
通信スピードテストの評価
格安ノートパソコンでWi-Fi6に対応していないにもかかわらず、非常に高い通信速度を誇ります。無線ネット環境でも安心して使えるでしょう。
IdeaPad Slim550(14)のUSB-C(PD)による充電テスト
USB-Cの充電テストを行いました。30W以下では低速充電表示のみとなりました。またLGディスプレイでの評価結果は充電はできず、画面拡張のみとなっています。
USB-PD | 充電の可否 | 検証した充電器 |
20W | △ | PowerPort Ⅲ Nano |
30W | △ | PowerPort Atom Ⅲ Slim |
45W | 〇 | PowerPort Atom Ⅲ 45W Slim |
61W | 〇 | RP-PC133 |
100W | 〇 | AUKEY PA-B7 |
LG 29UM69G-B | △(画面拡張のみ) | LG 29UM69G-B |
IdeaPad Slim550(14)の外観
天板はシルバーで、ロゴはサイドのLenovoのみでシンプルです。プラスチック素材ですが、塗装が安っぽくなく価格から考えると非常に綺麗です。
背面はコストダウンのためか、無塗装のプラスチック素材となっています。センターにスリットが入っている形状で、スピーカーは背面にはありません。
開いた様子です。昨今のPCと比較してベゼル幅は普通ですが、同価格帯から考えると狭い印象です。ディスプレイは自然な色で見やすいですが、若干輝度は低めになっています。アスペクト比は16:9です。
最大開き角は約130°です。
上部ベゼルです。上側は9mm、左右は6mmとなっています。
下部ベゼルです。ヒンジまでで約11mmとなっています。
キーボード全体です。IdeaPadシリーズのキーボードが踏襲されており、エンター・スペースキーなどが隣り合ったタイプになっています。
ミツトヨのデジタルノギスでキーピッチを算出したところ、18.84mmとなりました。また、SHINWAのデップスゲージでキーストロークを測定したところ、1.4mmとなっています。
タッチパッド幅を計測したところ、106mmとなりました。
本体右側はUSB3.0 Type-A×2と4in1メディアリーダーの構成です。
本体左側には電源ジャック、USB3.0(PD対応・ディスプレイ出力対応)、フルサイズHDMI、ヘッドフォンジャックの構成となっています。
スピーカーはキーボード横に配置されるタイプになっています。拡大するとわかりますが、全てに穴が開いているわけでなく、右矢印キーのあたりまでの穴となっています。
本体の重量を測定したところ、1410gとなりました。14インチノートとしては重めですが、持ち運び出来るレベルです。
充電器込みの重量を測定したところ、1625gとなりました。充電器単体では215gとなります。
IdeaPad Slim550(14)のメリット・魅力
10万円以下ならほぼベストバイ候補なコスパ
Ryzen5000シリーズは前モデル同様に高いパフォーマンスを誇るノートパソコン。それでいて、6万円台で買えるのでお値打ち価格です。ネットサーフィンや書類作成において十分な実力を発揮する他、Ryzenシリーズならではのマルチスレッド性能を活かして表計算ソフトをより快適に利用することができます。
14インチで持ち運びできる質量とUSB-PD対応
同クラスと比較すると特別軽い訳ではありませんが、コンパクトな設計と持ち運び可能なレベルの質量がIdeaPad Slim 550の利点となっています。またUSB-PDに対応するため、GaN対応の充電器を選ぶことでより手荷物を減らすことが可能です。
格安モデルの中では使いやすいタッチパッド
どのパソコンメーカーでも言えることですが、総じて安くなるとタッチパッドの性能が落ちスムーズさに欠けます。IdeaPad Slim550も上レベルとまではいきませんが、格安モデルとしてはそこそこ使いやすいので、マウスがない環境でも使いやすいパソコンと言えるでしょう。
IdeaPad Slim550(14)のデメリット・欠点
最大開き角が浅め
IdeaPad Slim 550において最も気になった点は最大開き角で、130°と比較的浅めの設計になっています。筆者自身は130°でも全く困らないのですが、人によってはもう少し深く倒したい人もいると思うので、気をつけておきたいポイントです。
生体認証非対応
IdeaPad Slim 550mではコストダウンのためか、顔認証、指紋認証ともに省かれています。これらの機能をPCでも使う人は注意しておいてください。
Wi-Fi6非対応
残念ながらWi-Fi6には非対応となっています。通信速度ベンチマークの結果から実用上は問題ありませんが、もしWi-Fi6を同価格帯で求めるなら、Inspiron14 5415を候補に入れておくと良いでしょう。
みんなの口コミ
ぜひ口コミをご投稿ください。
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前モデルを踏襲して値段はほぼそのままにパフォーマンスアップしている点が魅力。Microsoft Officeソフトを使ったり、ネットサーフィン、動画視聴する程度ならこのノートパソコンで十分すぎるほど。売れ筋モデルになるのもよくわかる一台です。
女性目線の口コミ
普段、Let's NoteのSZシリーズを使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- ビジネスライクな外観
- 少し重めだが持ち運びは可能
IdeaPad Slim550(14)がおすすめな人
安くて高性能なPCを探す人
IdeaPad Slim 550はRyzen5000シリーズプロセッサのおかげで、安いにもかかわらず高いパフォーマンスを誇ります。安さと高性能両方が欲しい欲張りな人にもぴったりなモデルと言えるでしょう。
たまに外に持ち運びする人
14インチサイズで狭ベゼルなコンパクト設計のため、外出時に持ち運べるサイズ感になっています。USB-PDに対応しているため、GaN充電器を持っていればよりコンパクトに持ち運びが可能です。検証の結果、45Wがベストサイズと言えるでしょう。
書類作成がメインで表計算ソフトを使う人
Ryzenシリーズプロセッサは多コアのため、書類作成をする人の中でも表計算ソフトでより力を発揮します。エクセルを積極的に用いる人によりおすすめです。
IdeaPad Slim550(14)がおすすめではないタイプ
頻繁に外に持ち出す人
たまに外に持ち出す程度なら苦にならないかもしれませんが、毎日持ち出すようなヘビーユーザーの場合はあまりおすすめできません。多少高くはなってしまいますが、1kg切りで超軽量な14インチノートYoga Slim 750i Carbonがおすすめです。以下で購入し実機レビューを行っています。
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動画編集をする人
Ryzenシリーズプロセッサは高パフォーマンスですが、がっつり動画編集をするならdGPUを搭載したモデル、たまに軽く編集するなら同じラインのintelモデルのIdeaPad Slim 550iが良いでしょう。
ペン入力したい人
IdeaPad Slim 550シリーズはタッチパネル非対応のクラムシェルモデルです。スタイラスペンによる入力を行いたい場合はIdeaPad Flex 550シリーズを選択するようにして下さい。近い性能の2in1ノートパソコンで、スタイラスペンが付属します。こちらも当サイトで購入して実機レビューしているので参考にしてください。
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IdeaPad Slim550(14)のカスタマイズ・モデルの選び方
IdeaPad Slim 550はRyzen3、5、7でプロセッサを選択できますが、ネットサーフィンや書類作成などをするだけならRyzen3でも一般用途ならオーバースペックです。価格差が小さいのでRyzen5へのグレードアップは良いと思いますが、Ryzen7にするならその差額で備品を揃える方が良いでしょう。特にGaN対応の充電器が一つあると、スマートフォンも充電を共有化でき便利です。
IdeaPad Slim550(14)の実機レビューまとめ
IdeaPad Slim550(14)を安く買う方法
IdeaPad Slim550(14)に限らず、Lenovoのパソコンを安く買う方法については以下の記事でまとめています。購入前に必ずご確認ください。
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