P40 Proレビューの概要(ポイント)
2020年春モデル最強のカメラフォン
HUAWEI P40 Pro(以下P40 Pro)は2020年6月12日に日本で発売されたHuaweiのハイエンドスマートフォン。最も特徴的なのはカメラ。広角からズームまで非常に綺麗な写真を撮影できます。
またKirin990を搭載し、リフレッシュレートが90HzのOLEDになっていることでスムーズかつ美しい描画を実現しています。
本機はGMS(Google Mobile Service)非搭載機種です。
簡易スペック表
発売日 | 2020/06/12 |
SoC | Kirin990 5G |
RAM | 8GB |
ROM | 256GB |
画面 | 6.58インチ |
重量 | 209 g |
5G(Sub-6) | 対応 |
5G(ミリ派) | 非対応 |
P40 Proの目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。購入検討している人はキャンペーンを必ずお読みください。
※本レビューは検証機をお借りしてレビューを行っています。
P40 Proの特徴
この項目ではP40 Proの特徴を中心に記載しています。著者が感じた主観的な内容はメリット・デメリットの項目をご覧ください。
多彩なカメラを搭載
P40 Proシリーズは過去からモデルチェンジするごとにカメラ機能を強化しています。PシリーズのフラッグシップモデルであるP40 Proでは、「広角」「超広角」「望遠」「深度」カメラを搭載しています。
またP40 ProではアウトカメラすべてにOISを搭載し、手ブレ補正機能を強化しています(他社の場合、標準レンズにのみついているケースが多い)。特に 50倍ズームにおいて威力を発揮し、望遠カメラとは思えないほどの能力を発揮します。
90Hzのディスプレイと高性能SoC
P40 Proでは、ディスプレイがリフレッシュレート90Hzを選択することができます(設定により60Hzの利用も可能)。また、SoCには高性能なKirin 990 5Gが用いられています。この組み合わせによりスムーズな動作感を実現しています。
メリットの部分で後述しますが、Android端末の中では群を抜くほど素晴らしいフィーリングとなっていました。
フロント3Dスキャンカメラ
Androidカメラのフロント顔認証は2Dカメラによる認識のため、セキュリティに不安が残る仕組みでしたが、P40 Proのインカメラは深度センサを併用した3Dスキャニングが可能なカメラとなっています。
また、深度センサを搭載していることにより、インカメラポートレートにおける精度向上が図られています。
防水・防塵対応
海外製のスマートフォンは防水・防塵性能が不足していることもありますが、P40 Proは防水・防塵に対応しています。
デュアルSIM、eSIM対応
これまでP30 Proはキャリア専売モデルだったため、デュアルSIM、eSIMに非対応でしたが、本モデルから対応となっています。
P40 Proの価格とコストパフォーマンス評価
P40 Proの値段は定価は119,680円となっています。ただし割引されていることが多いため、これよりも安くなることがあります。
ハイエンド級のためこの価格帯は高く、コストパフォーマンスに優れるとは言えません。しかし、その分性能が高いため、このクラスを狙う人はコスパは二の次でしょう。
現在の市場価格については、各ECサイトをご覧ください。
P40 Proのマシンスペック
マシンスペック
P40 Proのマシンスペックは以下の通りです。
発売日 | 2020/06/12 | |
寸法 | 72.6×158.2×8.95mm | |
重さ | 209g | |
ディスプレイ | サイズ | 6.58インチ |
形式 | OLED | |
画素数 | 2640×1200 | |
リフレッシュレート | 90Hz | |
バッテリー | 電池容量 | 4200mAh |
ワイヤレス充電 | 〇 | |
リバースチャージ | × | |
急速充電 | 40W対応 | |
プロセッサ(Soc) | Kirin 990 5G | |
GPU | 公式記載なし | |
ストレージ(ROM) | 256GB | |
メモリ(RAM) | 8GB | |
外部メモリ | 256GB(NWカード) | |
通信 | 下り最大 | 公式記載なし |
上り最大 | 公式記載なし | |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/ax | |
bluetooth | バージョン | 5.1 |
最大接続台数 | 公式記載なし | |
生体認証 | 指紋認証 | 〇 |
顔認証 | 〇 | |
光彩認証 | × | |
おサイフケータイ | × | |
緊急避難速報 | 公式記載なし | |
防水(お風呂) | IPX8 | |
防塵 | IP6X | |
ワンセグ/フルセグ | × | |
赤外線通信 | × | |
コネクタ | USN-C | |
OS | EMUI 10.1(Android10) | |
SIMサイズ | nanoSIM×2,eSIM | |
DSDV | 〇 |
※スペック詳細はこちら
対応バンドについて
5G | n1/n3/n5/n28/n38/n41/n77/n78/n79 |
4G | 1/2/3/4/5//6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28/32/34/38/39/40/41/ |
3G | 850MHz / 900MHz / 1700MHz / 1900MHz/2100MHz |
スペックの解説
スペックは最新だけあって非常に高い水準となっています。特にディスプレイ周りで下位グレードとの差が大きく、リフレッシュレート90Hzや解像度に差があります。Wi-Fi6、5Gに対応していることも特徴です。
逆にSoC周りについては、ハイエンドの中でも中堅クラスです。Antutuの性能も40万台なことやメモリが8GBなことを考えると、日本で発売されている中でトップクラスとは言い難いスペックです。とはいえ測定結果から、実使用の中でゲームを含め問題が出ることはないでしょう。
P40 Proのベンチマークテスト
Antutu
Antutuの測定結果は463786となりました。クリックで画像を拡大することができます。
P40 Proの通信スピードテスト
P40 Proの通信環境テストを行いました。テスト環境は光1Gbps(IPV6非対応)でWi-FiにはWi-Fi6非対応のLYNKSIS VELOPを用いています(クリックで拡大します)。
全部屋で安定した速度が出ています。最長距離であってもPINGの落ちは小さいです。
P40 Proのカメラスペック
カメラスペック
カメラスペックは以下の通りです。アウトカメラのズームに最大倍率は50倍です。
有効画素 | F値 | 手振れ補正 | ||
光学 | 電子式 | |||
広角カメラ | 5000万 | 1.9 | 〇 | 〇 |
超広角カメラ | 4000万 | 1.8 | 〇 | 〇 |
望遠カメラ | 1200万 | 3.4 | 〇 | 〇 |
深度カメラ | - | - | - | - |
インカメラ | 3200万 | 2.2 | - | - |
イン深度カメラ | - | - | - | - |
※「-」は公式サイトで情報がなかったため記載しておりません。
※深度カメラは-表示としています。
動画撮影能力
アウトカメラは以下の通りです。4Kは30fpsです。
4K 撮影 | 24,30,60 fps |
1080P 撮影 | 30,60 fps |
720P 撮影 | 30 fps |
P40 Proで撮影した作例
標準レンズと光学ズームした時の比較です。スマホとは思えないほどの光学ズームが可能です。通常10倍クラスではまだ葉にピントが当たりますが、P40 Proでは後ろの壁紙にピントが当たるほどの凄さです。50倍では壁の模様まで描写しています。
フォーカスによるホワイトバランスの変化を検証しました。
接写能力を検証しました。マクロレンズを搭載していないため、接写能力は通常レベルです。
前後でピントを調整し撮影しました。
撮影後にフォーカスを変えられる「ワイドアパーチャ機能」を検証しました。ワンショットで背景ボケを大きくコントロールできます。
その他の風景画や食事、夜景撮影などはSIMPC BLOGで写真を公開しています。
P40 Proの外観
P40 Proの背面です。HUAWEI製品の中では珍しくすりガラス調のデザインになっています。指紋は付きにくいですが、全くつかないわけではありません。
カメラは全部で4眼です。かなり高さがあり主張が強いデザインです。
カメラはかなり飛び出しています。実測で1.5mmです。
前面です。OLEDのディスプレイが鮮やかです。インカメラは2連式になっており、一つは深度カメラになっています。そのため顔認証は3Dスキャニングになっています。
ロック画面です。指紋認証は以下のように表示されます。
右画面です。音量ボタンと電源ボタンがあります。
左側面です。こちらには何もありません。ただし、アンテナ用と見られるスリットがあります。
上部はこちらです。下部はUSB-C、SIMスロット、スピーカーになっています。ヘッドフォンジャックはありません。
P40 Proのメリット・長所
とにかく動作がキビキビしている
触ってみて一番に驚くのはやはり動作です。動作がキビキビとしているため、とても快適に使うことができます。あくまで主観ですが、Kirin990 5G自体はあまりP30シリーズからAntutuの進化が大きくないと感じるので、リフレッシュレートの変化によるものが大きいのでしょう。
とくにジェスチャー型の操作はP30では反応が微妙に感じることもありましたが、P40 Proは全く不満に感じないレベルです。
カメラ性能が高い
カメラ性能が高いことは言わずもがなです。P40 Proは同メーカーだけでなく他社の製品も圧倒しています。特に夜景撮影でズームを使う場合で、これ以上に綺麗に撮影できるカメラは、P40 lite 5Gくらいだと感じます。
AI制御は群を抜いている
インスタグラムやTwitterなどのSNS投稿時において、気になる被写体や鏡の映り込みを除去する機能を標準で持っています。P40 Proの写真撮影能力を更に高める付加価値がありますし、実用性が高いところも大きなメリットです。
意外とAppGallaryにはアプリが多い
主観で感じたことですが、Huawei独自のAppGallaryは意外とアプリが多いと感じました。
もちろん、必要なものがすべて揃っているとは言い難いですが、まだ始まったばかりであることやリクエストできることを考えるとさらに増えていくと推測できます。デメリットで後述しますが、私自身は地図アプリ、漫画アプリを頻繁に使い、それ以外はあまり使わないので、AppGallaryでも十分な日は近いかもしれないと感じました。
指紋認証が速い
これまでディスプレイ内指紋認証を何度か使ってきましたが、満足するほど速いものは数が少なく、OPPO Reno AとReno 10x Zoomだけでした。このP40 Proはこれらのスマートフォン全てを上回る速さになっています。以下は実際に指紋認証を使ってみた様子です。
P40 Proのディスプレイ内指紋認証です。
P30と比べると速くなってます。ただ、静電式と比べるともう一歩です。 pic.twitter.com/RGXbSIRnNE
— SIMPC|シンプシー公式 @楠リカ (@simpc_jp) June 23, 2020
かなり速いのがわかっていただけると思います。ただし、残念ですがまだ静電式には敵わない印象です。
P40 Proのデメリット・欠点
GMSが非搭載である
P40 ProはGoogleサービスを搭載していません。そのため、Google Playが使えず、ひいてはGmail、Google Mapなどのアプリサービスを使えないデメリットがあります。もし使う場合はWEB版を使うなど、現状では回避して使うしか方法はありません。
アプリ系がどうしても弱くなる
HUAWEIのAppGallaryはまだ始まったばかりです。そのため、汎用性の高いアプリでもアプリストアからインストールできないことは多いです。もし自分が使いたい、使わなければならないアプリがあるなら先に確認しておくことをおすすめします。
補足
アプリ不足を補う一つの方法として、Amazonアプリを経由することでダウンロードすることが可能です。アプリサービスを使いたい場合はこちらも知っておくと良いでしょう。
209gと普段使いには重め
本体は209gとなっており、バッテリー4200 mAhの割にかなり重めです。メイン使いするなら、肩こりの可能性もあるので気をつけておきましょう。
P40 Proの口コミ・評判
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非常に性能が高く、サクサクとした挙動のスマートフォンです。なによりもカメラ性能が高く同時期のスマートフォンと比較して、標準、ズーム、夜景、全てにおいて格上の仕上がりです。マクロレンズを搭載していないため、弱点はそれくらい。
P40 Proになってリフレッシュレートが90Hzに対応したことでKirin990 5Gのヌルヌルさがさらに実感できるように。
やはり弱点はGMS非搭載であること。それさえなければ星5つけられる素晴らしい出来のモデルです。
P40 Proの女性目線の口コミ
普段、iPhone8を使っている妻からコメントをもらいました。ライトユーザーとしての一意見として捉えて頂ければと思います。
女性目線のコメント
- 背面のデザインが濃い
- 50倍ズームは信じられない
- 普段使いするには重い
P40 Proがおすすめのタイプ
カメラ性能を重視したスマホがほしい人
P40 Proを使ってみて、個人的にはカメラだけでも十分買う価値があると感じました。ポケットに一眼レフを忍ばせている感じで、これほど魅力的なスマートフォンはありません。風景、人物、食事と全てにおいて高いバランスで撮影できるカメラとなっています。
何より望遠で遠くを撮影することを重視するなら、P40 Pro一択です。
サブスマホとして欲しい人
2台持ちすることが前提ならP40 Proは一気に候補に上がるでしょう。メインスマホがハイエンドでもいいですし、メインを格安クラスにして、サブにP40 Proを位置づけることによって、カメラの性能を活かしつつ、googleサービスも妥協する必要がありません。
P40 Proをおすすめしない人
無料アプリで漫画をよく読む人
私自身がそうですが、無料アプリで漫画をよく読む人にはP40 Proはおすすめできません。というのも、AppGallaryにもAmazonアプリにも無料アプリ系はないからです。
Googleサービスを利用する人
GMSが入っていないため、Googleサービスをよく利用する人にはおすすめできません。回避策もなくはないですが、どれも玄人向けです。それなら、カメラ性能は落ちてしまいますが、P30 Proを買う方が良いでしょう。
格安SIMの電話を使う人
ワイモバイル、UQモバイルを除き格安SIMは全てかけ放題を使うためには専用アプリが必要になります。現状、Googleアプリが使えない以上、アプリの提供もありません。格安SIMの電話を使う人は要注意です(2020/06/23時点でIIJmioは提供しています)。
P40 Proの特徴レビューまとめ
P40 Proのキャンペーン・安く買う方法
P40 Proはキャリアでの取り扱いはありません。通販サイトを比較し、最もお得なサイトから買う方法が最も良いでしょう。
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